妄想少女は過去を忘れたい【fkr】 (ページ8)

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「ち、ちなみにですね...」

fkr「うん？」

「それは福良くん以外にもバレているのでしょうか...？」

fkr「ああ、食べ物のこと呟いてるなあくらいで、人に当てはめられてるとまではバレてないんじゃない？」

耐えた！
ならまだちょっと食いしん坊でいける。
セーフ！！！

「福良くん...」

fkr「大丈夫、言わないから安心して。」

優しい。いつもキラキラしてるなあと思ったけど今日は一段とキラキラしてる。
まるで

「とろ玉うどんみたい...」

とろっとしたあの舌触りの絶妙なとろろに、卵が絡んでなんとも幸せなハーモニー。

fkr「...褒められてそうだしいいとするか(苦笑)」

ええ、褒めてます。めちゃめちゃ褒めてますとも。

「私、うどんは1番とろ玉うどんが好きなんです。大好き。」

とろろがちょっとカロリー高めな気がして最近は食べてないなあ。
今度のご褒美ご飯はうどんにしよう。
明太子おにぎりもつけちゃう。
うどん屋さんのおにぎりってなんであんな美味しいんだろうね？
強く握りすぎてなくてふわってお米が崩れるあの柔らかさ。

「おにぎり...」

fkr「あ、俺の出番終わってる。Aちゃん戻ってきて〜」

はっ...

「すみません...」

fkr「ね、俺マクドだけじゃお腹いっぱいにならないから近くのセルフうどん、行こうよ」

行く！
なんて、昔の私なら即答したんだけど今は分かる。

「マクドナルドという超背徳メニュー食べた後に、罪を重ねられません...」

fkr「お腹に余力ない？」

ありますよ、そりゃ。ありますとも。
でも

「そこは自制心持たないとダメなんです。甘やかしてばっかじゃ現状維持どころか太ります。」

fkr「あのさAちゃん。Aちゃん、全然太ってないよ？むしろ今はほっそりしてる。俺とのご飯の頻度でお腹いっぱい食べたってそんな太らないと思うけど。」

「それは努力して痩せて普通になれたからで！油断するとすぐ戻るんです！」

ダイエットのために電車通学を自転車かつ坂道コースに変えたり朝バナナにしたりお弁当箱を1段にしたり...

「痩せたいじゃなく現状維持したいんです！簡単に言わないでください！」

fkr「...ごめん。」

「...次のごはんは、うどんのお店にしましょう。じゃあお疲れ様です。」

食べ終わったトレーを持って席を立ち片付けて店を出る寸前福良くんの方を見るとしょんぼりしながらポテトをもぐもぐしていた。
せっかくの世界一美味しいプライドポテトを悲しい気持ちで食べさせてしまった。

ごめんなさい。