1 ページ1
うどんの国、香川。
つるんとしたうどんみたいに白くって、柔らかくって、きょうもふんわり。
ふんわりってことは、メレンゲもありかなあ。
クラスの子と話している福良くんを見て、今日も私はお腹を慣らす。
んーお腹空いてきちゃった。
学校終わったら学校裏のおばあちゃんのところでおうどんを食べよう。
毎日のことだけど。
まだお昼のお弁当を食べているのにおやつのうどんに心は逃避行中。
「わー・・・Aさんのお弁当ヤバくない?今日も揚げ物ばっかり。そんなんだからあんな体型なんだよ」
「しっ、聞こえるよ。そういえばさ、小学校の時Aさんが引っかかっちゃって大繩がAさんに絡まっちゃってさ、その時男子がボンレスハムみたいって言ったんだよね」
「なにそれやっば、その場にいたかった!絶対笑いこらえきれなかったと思うけど。」
申し訳ない、でも全部聞こえてます。
その時はみんなに笑われたし恥ずかしかったけど、よくよく考えたら私ハム大好きだし。
不味いものに例えられるよりはよっぽど良いんじゃないかと思うんだよね。
美味しいものに例えられてよかった!!
・・・うどんにハムって美味しいのかな。
ラーメンのチャーシューみたいな感じで美味しそうな気もする・・・
おばあちゃんに乗せてみてもいいか聞いてみようかな。
うん、そうしよう!
なんて。思っていたのは中学生の時まででした。
高校の時自分の醜さに絶望してダイエットを決意。
でも両親は自然と痩せる時が来るからとご飯をいっぱい出してくるので高校生活での減量は断念。
大学で上京し運動、食事制限、バイト頑張ってエステサロンにも通って。
今では高校までの姿なんて想像もつかないくらい。
化粧もネットで調べたり雑誌を見たり、そりゃもう努力して人並を手に入れた。
高校までの卒業アルバムだって捨てたし友達だって親友萌ちゃん以外とは連絡も取ってない。
昔の黒歴史なんて忘れて私は生きる!
そう決めていたのに。
fkr「よろしくお願いします〜」
現れたのは中学の時のうどん王子・・・コホン、違った。
中学の時の人気者、福良くんだった。
144人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:たらこ | 作成日時:2022年9月16日 19時