笑った君と手を繋いで【sgi】 (ページ7)

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sgi side

ここ最近で倉科ちゃんのイメージが大きく変わっている。
淡々としてるっていうのは変わってないんだけど、クールでスマートだと思ってたのはどうやら違うようで。
大雨の中傘も差さずに忘れ物の財布のために走って来てくれたと思ったらぶっこけるし？
英語なんてスラスラ読めそうでなんならネイティブ並みに話せそうな雰囲気なのに全然出来なくて眉間に皺寄せて辞書ひいて必死に論文読んでるし。
実験の結果がうまくいかなかったんだなって誰が見ても分かるくらいしょんぼりしてもう一回やる羽目になってるし。

表情に出ないだけでめちゃめちゃ頑張って生きてんだなって。

そして何より一緒にいて無言でも心地良い時間だった。

無理に喋んなくても気まずくなんない。
退屈な夜通しの作業が倉科ちゃんのおかげでちょっと楽しかった。
朝帰るのが一緒になったから途中までと帰っていたらまさかの俺のマンションの隣のボロアパートの住人なのもかなりパンチが効いている。
いいとこのお嬢さんかと思ってたけどそれとはかけ離れた家すぎた。
女の子なんだからもうちょっと防犯意識をさ・・・とか言いたかったけどそこまで親しい関係性でもないし言えず。
部屋に戻ってシャワーを浴びた後も眠たいはずなのになんか眠れなかった。

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fkr「須貝さんもなんか頼みます？」

sgi「あ、腹減ったから俺も一緒に頼むわ。雨で外に買いに行くのめんどくさい。」

オフィスで企画の準備をしていたら昼になっていたらしい。
どうりで腹が減るわけだわ。
福良と伊沢が牛丼を頼むようなので俺も一緒に注文させてもらう。
雨だから1時間前後かかんだな、しゃーないわ。
準備の続きをしながら牛丼を待つ。

ﾋﾟﾝﾎﾟｰﾝ
sgi「俺出るわ～」

キリ良いとこまで進んだので玄関まで受け取りに行く。

ｶﾞﾁｬｯ
sgi「は？！」

「UberEatsです」

扉を開けると待っていたのはまたしても濡れている姿の倉科ちゃんだった。