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おもちにリードを付けてマンションを出る。
「おもち、ゆっくり歩くんだよ。」
リードを引っ張るおもちに声をかける。
おもちは散歩が好きだ。帰ろうと私から声をかけてUターンしないと延々と前に進み続ける。
sgi「貸して」
「あっ・・・」
須貝さんにリードを取られた。
せっかくのおもちとの散歩まで・・・むむむ。
sgi「そんな睨まないでよ、はい、Aちゃんはこれで我慢」
今までリードを握っていた手を須貝さんの左手が包んだ。
「え・・・」
sgi「これじゃダメですか？」
なに。
なんなの。
この人唐突だ！
「危険。」
sgi「なにが(笑)あ、おもち大すんのか。最近お前の大をする雰囲気分かってきたぞ！」
・・・須貝さんは、とっても魅力的な男性だ。
背も高くて男らしいし、優しい。
ただ隣の研究室ってだけで住むところまで提供してくれる。
「須貝さん」
sgi「ん？どした？」
「壺とか買った経験あります？」
sgi「犬の大を取りながら何を聞いてんの君は。」
ちなみにそういった騙された経験はないようだ。
良かった。こんな良い人が騙されていたら可哀想すぎる。
東大の博士課程でこのルックス、性格も良いときた。
はっ。これはいけない。聞かねばならぬことを忘れていた。
「須貝さん」
sgi「高額商品売りつけられたことはないけど？他の質問？」
「交際関係にある女性はいないのですか？」
sgi「言い方倉科ちゃんとこの教授と似てんな〜(笑)いないよ。」
「では男性が恋愛対象ということでしょうか。」
sgi「はっ？！ごめんだけど俺の恋愛対象はバリバリ女の子。単純に今フリーなだけだよ」
「なるほど。ちなみに欲しいという願望はお持ちでしょうか。」
sgi「聞くねえ。うんと、彼女は欲しい。でも新しく探そうとか紹介してもらおうとは思ってない。」
「・・・なるほど。」
sgi「ほんとになるほどしてる？」
「つまり、自然に出会った相手と交際したい、ということでは？」
sgi「うーん、及第点かな。優はあげられない。」
「？？」
sgi「今もうすでに出会ってる人で好きな人がいる。」
「ああ・・・それは、良くて良、ですね。」
sgi「あ、成績の方行くんだ。」
須貝さんには恋い慕う相手が、いらっしゃる。
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作者名：たらこ
| 作成日時：2021年4月15日 20時
