検索窓
今日:6 hit、昨日:23 hit、合計:108,356 hit

11 ページ11

その日はQuizKnockの撮影日で、すべての収録が終わった後、こうちゃんと福良と飲みに行って、その帰りだった。

今日はコンビニにも牛丼屋にもいなさそうだな。
駅からの帰りは毎度チラッと倉科ちゃんがいるか確認するのが日課になりつつあって。
マンションまでの道を帰っていると小さい背中とライトを首元に付けた白いまるっこい犬。

倉科ちゃんとおもちだ!

また研究室に遅くまで篭ってたのか?こんな遅い時間に散歩とは珍しい。
柄にもなく小走りででも気付かれないようにそっと倉科ちゃんに近づく。


sgi「倉科ちゃん!」


ビクッ


sgi「あ、ごめんびっくりさs「いや!・・・ごめ、ごめんなさい、」倉科ちゃん?」


倉科ちゃんはいつもの淡々とした対応ではなくうずくまって頭を抱えてしまった。
ひたすら謝り続けている。

近づけない。手を伸ばせない。

間違いなく目の前の女の子は俺に怯えている。

いや、正確に言うと俺に重なって見えている誰か、にだ。

どうすればいい?

倉科ちゃんに今触れることはおろか俺だと認識してもらうことすら難しいというのに。


おもちは倉科ちゃんの横で飼い主を心配そうに見つめている。
いつもはくるんとしている尻尾もすっかり下がってしまっている。

・・・!!

おもち!今の俺はお前だけが頼りだ!頼む!!

俺はおもちを抱き上げ倉科ちゃんの顔の前に持って行く。


sgi「ヴアンッ!!」


・・・違う、ミスった。おもちは小型犬も小型犬なのにいつもの癖でドーベルマンみたいな泣き声を出してしまった。
慌てて小型犬の鳴き声を脳内Google先生で検索していると、


「・・・お、もち」


頬を濡らした倉科ちゃんがおもちにゆるゆると手を伸ばしてきた。
倉科ちゃんの腕におもちをパスするとぎゅっとおもちを抱きしめる。


sgi「・・・大丈夫?」


「・・・す、がいさん。っ!す、すみません。お見苦しいところを・・・」


sgi「いや、驚かせたの俺だから。ごめんな。・・・帰るか」


気まずい雰囲気で歩き始めた。

倉科ちゃんはおもちを降ろさず抱きしめたままだった。

12→←10



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (206 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
371人がお気に入り
設定タグ:QuizKnock , 須貝 , QK   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

この作品にコメントを書くにはログインが必要です   ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たらこ | 作成日時:2021年4月15日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。