inferiority【QK】2

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次の日。


「なにこの冷蔵庫・・・」


泊めてもらったお礼に朝ごはんでも作ろうと思ったんだけど。


食材だけじゃなくて調味料もない・・・


いっつも外食？


・・・リッチな生活してるんだなあ。


週に1度私の料理を食べに来てくれるけど、あんな家庭料理で良いんだろうか。


会ってない間に大学時代から私と違って飛躍した拳くんの家にいるのがしんどくなった。


気分転換も兼ねて近くのコンビニに朝ごはんを買いに行った。


お味噌汁とおにぎりでいいかな。


拳くん朝は和食派だったよね。


・・・社会人5年目になる今年、会わないうちに色々変わってる？


急に自信がなくなった。


5って10の半分だもん、結構な期間だよね。


十分趣味嗜好だって変わりうるはずで。


結局パンも買うことにした。


拳くんのマンションの前に着く。


あ・・・オートロックなのに普通に出てきちゃった。


まだ寝てるかもしれないけど拳くんに連絡・・・知らない、大学卒業して連絡先消しちゃったし再開してからだって交換するようなこともなかった。。


今の私って・・・拳くんのこと、何も知らない。


野菜嫌いが継続されてることくらい？・・・それもほんとなんだろうか。


もしかしたら克服してるのに私が勝手に嫌いだと思い込んで出してないだけかも。


・・・何にも知らないのに拳くんの優しさに甘えて、ピンチの時だけ名前呼んで。


私、最低じゃない？


fkr「A！どこ行ってたの、起きたらいないから心配した・・・」


「・・・」


探しに来たのか拳くんがマンションから出てきてくれた。


fkr「A？」


「・・・ごめん、朝ごはん買いに行ってた。オートロックなことすっかり忘れてて。」


fkr「部屋番号押して呼び出してくれればよかったのに。」


「まだ寝てるかもしれないと思ったから。」


fkr「気遣わないでいいのに。」


「・・・遣うよ。」


fkr「え？」


「・・・ううん、なんでもない。ごめんね、これ拳くん食べて。私ちょっと忘れ物思い出したから1回家帰って警察行く。じゃあ。」


fkr「え、A？」


コンビニで買ったものをエコ袋のまま渡し、拳くんの呼びかけには答えずにその場を後にした。

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