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ー翌週の木曜日
「・・・うん、これでいいかな。」
久しぶりに拳くんのお弁当作った・・・
そもそも香川からお弁当箱なんて持ってきてないから昨日買いに行った。・・・なんで私が?ってちょっと思った。
緑がないからバラン入れようかなと思ったんだけど拳くんは私のお弁当を見て綿野さんに引いてほしいわけだし・・・かぼちゃの煮つけだけは入れておこうかな。
拳くんの一緒に作るとなると単純に品数を増やさないといけないからいつもの15分は前に起きないといけない。
朝の15分って結構大事なんだけどな。依頼した本人がまだ寝てるってのもちょっと気に食わない。
朝ごはんを食べながらそんなことを思う。
才能も美も持ち合わせていない私は人より努力しろってことかな・・・
朝から沈んだ気分で片づけをして大学に向かった。
先週と同じく琴葉ちゃんと3限の時間を使って食堂にやって来た。
拳くんのグループも今しがた着いたようで荷物を置いているところだった。
嬉々として琴葉ちゃんは近くの席に向かおうとするので慌てて腕を掴んだ。
「琴葉ちゃん・・・あのね、中野くんに連絡してないからちょっと離れた席に座らない?」
琴葉「え、連絡しなかったの?じゃあ中野くんが背向けてる席にしよっか。」
・・・そこも割と近いです。まあいざという時は琴葉ちゃんが守ってくれるのだろう。
諦めて席についた。今日も今日とて学食を買いに行く琴葉ちゃんを待つ。
男「福良ほんとにお弁当持って来たんだ。」
fkr「うん。」
男「・・・なかなか斬新な弁当だな・・・」
そりゃそうだよ。拳くんが食べられるものだけ入れたらそうなるんだから。
あ、琴葉ちゃん今日はかつ丼にしたのね。
琴葉ちゃんがもうちょっと席に着きそうなタイミングだった。
綿野「ちょっと借りまーす」
「えっ」
お弁当が持って行かれる。
綿野「ね、福良くん、それが言ってたお弁当?」
fkr「うん、そうだけど?」
綿野「じゃあ卵焼きいただきます。」
fkr「は?」
そう言って綿野さんは拳くんのお弁当から卵焼きを取って食べ、続いて私から取り上げたお弁当から卵焼きを食べた。
綿野「うん、同じ味。Aちゃんと福良くんって同棲してるんだね。」
fkr「なっ!」
ああ、今日が大学生活で最悪な1日になりそうだ。
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たらこ(プロフ) - 亜希さん» 最高と言っていただけて嬉しいです!ありがとうございます!長いお話なのでゆっくりでも大丈夫です。読んでいただけると嬉しいです(^^) (2021年5月27日 23時) (レス) id: d9464ae33a (このIDを非表示/違反報告)
亜希(プロフ) - 泣きながら読みました。特に福良さんサイドの初めての時に。もう、最高ですね。続き読んできます。 (2021年5月27日 22時) (レス) id: 81b7d60823 (このIDを非表示/違反報告)
たらこ(プロフ) - Biwaさん» Biwaさんこんにちは!コメントありがとうございます!兄妹設定楽しいですよね〜嬉しいです。んーfkrさんしか書いたことがないので想像つかないんですが短編もしくは中編とかなら書けそうなメンバーもいるかも…?できそうなら書いてみます! (2021年3月7日 22時) (レス) id: 1dc2ca21b8 (このIDを非表示/違反報告)
Biwa(プロフ) - 突然すみません!!このお話が好きです!めっちゃ!!設定が私好みで…もしこの作品を作り終えて作者様がよろしければ、この設定で(兄弟で妹が劣等感をもってる)違うメンバーっ可能だったりしますか? (2021年3月7日 21時) (レス) id: 912a3a5484 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たらこ | 作成日時:2021年2月28日 4時