inferiority【QK】～追憶～ (ページ9)

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小2 将来の夢ページ9

「A、大きくなったらお嫁さんになる」

父「ええ！職業とか、そういうのじゃないの？看護師さんとか、お花屋さんとか」

今日も福良家の食卓は平和です。

母「あら、いいじゃない、お嫁さん。イケメンでお金持ちな旦那さんゲットして幸せになればそれで。」

兄「お母さん、現実的すぎるよ(苦笑)でもA、お嫁さんになりたい誰かがいるの？」

「・・・誰かのお嫁さん？真っ白なドレス着るの。」

どうやらAちゃん、ウェディングドレスを着たいってことだったようです。

fkr「Aはお嫁さんにならなくてもいいよ。ドレスならいっぱい僕が着せてあげる。」

兄「えー俺はAのウェディングドレス、見たいけどな？絶対可愛いよ。」

「ほんと？じゃあA、お兄ちゃんのお嫁さんになる！」

fkr「！！」

兄「A、嬉しいけどお嫁さんは世界で1番好きな男の人じゃないとダメなんだよ？」

「うん、Aお兄ちゃんが1番好き！」

これは・・・拳くんダメージが大きい。

身近な人に取られるのが1番辛いんですよね。

お父さんがいっつもそうですもん。ええ。

父「A、パパじゃ、ダメなのかなあ？ずっとパパのところにいたらいいんだよ・・・」

母「何言ってるの、孫の顔見たいでしょ。」

父「孫は拳たちにお願いするからいいんだよ、Aはずっと家にいればいいんだ・・・」

母「ええ、泣かないでよ。相変わらず重たいんだから。」

その後も食事は続きますが、みなさん気づいていますか？

拳くんが喋っていません。

実は必死に涙を堪えてご飯をもぐもぐしています。

泣きそうなのがバレないように口いっぱいにご飯を詰め込んでハムスターみたいになっています。

お母さんは気づいていますがなんと声をかけるか迷っているよう。

お兄ちゃんも1番と言われて喜びましたが拳くんを見て黙っています。

Aちゃんにとっての1番は自分よりも拳くんの方が居心地がいいそうです。

Aちゃんに懐かれれば懐かれる程拳くんに敵意を向けられるのが辛いそうな。

せっかくの男兄弟仲良くしたいのにライバル視ばっかりされてしまうそうでお兄ちゃん悲しい。