inferiority【QK】～追憶～ (ページ49)

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母「拳。」

fkr「・・・なに。」

母「ここ一週間、部活やってた時と同じくらい早く起きて。何の心境の変化？」

fkr「なにも、ないよ。」

母「Aと喧嘩でもした？」

fkr「してないよ、もう、諦めただけ。」

母「あら・・・片想い終了？」

fkr「もう、いい。疲れた。」

母「ふーん。拳はもっと頑張ると思ってたのに、ガッカリした。」

fkr「部屋にすら入らないでって言われたんだよ？そこまで嫌われてるのにもう頑張れない。」

母「あ、そう。1回断られただけでへこたれるような息子に育てたお母さんが失敗でした。」

fkr「・・・なんでそんな冷たいの。いっつも励ましてくれるのに。」

母「ネガティブはパパだけで十分。でもね、パパはネガティブだけど好きな人には何回フラれたって自分の好きには嘘つかないでひたむきに頑張れる人だから。それも出来ないなら好きって言うの辞めたらいいわ。」

fkr「・・・」

母「でもそれならわざわざ避けるようなマネするのやめなさい。Aが私のせいだって沈んでた。いきなり態度変えたら可哀想でしょう。」

・・・。

階段を上がると俺の部屋の前にAの姿。

fkr「どうしたの。」

「あ、あの・・・この前、部屋に入らないでって言ったのは、その・・・」

fkr「いいの、女の子だもん、「違うの」ん？」

「その・・・手紙、書いてたの。」

fkr「手紙？」

「10年後の自分への、手紙・・・だから、見られるの、恥ずかしくて。部屋、入っても大丈夫、だから・・・」

fkr「・・・それ、言うために、待ってたの？」

「うん・・・」

fkr「・・・ふふ(笑)わざわざ、ありがと。」

やっぱり、諦めるのやめた。

部屋に入って紙とペンを取った。

10年後の僕へ

今君は何をしていますか？
将来の夢とか特にないけど、楽しいって思える仕事についてくれていたらいいな。

今俺はAに避けられて逃げられて、志望校も教えてもらえないくらいの状態です。
嫌いとか、興味ないとか、思えたらいいかもしれないけど、双子って不思議、俺はAがいない世界で生活するのが怖いくらいにAが大好きです。
だからお願い、25歳の俺もAの側にいてください。

もし、まだAに避けられていたなら、逃げられていたなら、絶対捕まえて。
双子なんて誰が望んだって今から手に入れることは不可能な存在だから。

絶対Aを手放さないで。

何歳になったって、Aは俺の、大好きな双子の妹だから。