中3 10年後の僕へ ページ48
先生「10年後先生からみんなに送るから自分への手紙書くこと！今持ってる将来の夢を書いて叶えてますかでも良し、彼氏彼女とまだ続いてますかでも良し。読むのは10年後の自分。よく考えて書けよ〜」
10年後。25歳。
ここにいるほとんどの人は社会人になってるだろう。大学院に進んだとしても社会人1年目の年。
・・・あと10年でそこまで大人になるのか。
将来の夢とか、ないしなあ。
直近で気になってるのはやっぱAのこと、なんだよね。
俺、10年後もAの側にいれてる？
10年後の自分へ。
今何をしていますか？
15歳の俺は特に将来の夢もなく、勉強はそこそこ、10年後自分が何をしていたいとか、そういうの考えたことすらありません。
Aには、小3の頃からずっと、避けられてるけど、俺は諦めずに仲良くなれるように頑張ってます。
・・・あと、何書こう。
柏木妹「ね、ともくん、お互いに向けても書こうよ〜。」
柏木兄「いいよ？自分宛と、ともちゃん宛と2通入れとく」
・・・相変わらず、仲良いな。
この2人は何年経っても一緒にいるんだろうな。
・・・俺だって。
柏木兄「福良も妹ちゃんとなんかしたら？」
fkr「・・・お願いは、してみるけどさ。」
その日の夜。Aの部屋の前に俺はいた。
ｶﾞﾁｬ
「ひゃっ？！」
fkr「あ、ご、ごめんA。怪我ない？」
「け、拳くん・・・ど、どうしたの？」
fkr「話したいことあって、部屋入ってもいい？」
「だ、だめ！」
fkr「え・・・」
「部屋に入られるのは困る、の。話すならリビングに「いい」え。」
fkr「もう、いい・・・。」
「あ・・・」
fkr「驚かせちゃってごめんね、おやすみ。」
部屋に入るのさえ拒まれんの？
しつこく志望校聞きすぎたのが悪かった？
自分の部屋に入ってベットに身体を預けて天井を見上げた。
10年後、俺、Aの側にはいないかもしんないね。
所詮双子なんて他人だ。
血が繋がってたって、違う人間だもんね。
・・・頑張るの疲れちゃった。
鞄から途中まで書いた手紙を取り出して、ビリビリに破いてゴミ箱に捨てた。
fkr「嫌いになれたら、いっそ楽なのに。」
視界が、涙で歪んでた。
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作者名：たらこ
| 作成日時：2021年3月26日 17時
