inferiority【QK】～追憶～ (ページ45)

今日:64 hit、昨日:6 hit、合計:65,165 hit

▼ ページ45

柏木妹「ねね！ともくん！」

柏木兄「うん？どした？」

柏木妹「これ。お互い最後の試合頑張ろ！」

柏木兄「お守り？ありがと。鞄に付けとくわ。」

フェルトで作られたお守り。真ん中にはWINの形の赤い文字が縫い付けられている。

柏木妹「こういうの全然しないからすごい不格好なんだけど、想いは詰まってるから！」

柏木兄「分かってるよ。ありがとね、ともちゃん。」

fkr「いい、なあ・・・」

柏木twins「え？」

・・・あ。声に出しちゃってた。

柏木兄「珍しい。福良が羨ましがることあんまないじゃん。」

いつも羨ましいなって思ってるよ。言わないだけで。

柏木妹「Aちゃん手芸料理部でしょ？作ってもらえば？」

fkr「こういうのって、お願いして作ってもらうのは、違うくない？」

柏木妹「そう、だね。」

Aならお願いすれば作ってくれると思うけど、そうじゃないんだよ。

==================================================

ｺﾝｺﾝｯ
「はーい。」

fkr「俺。入ってもいい？」

「・・・どうぞ？」

fkr「A。あのね、日曜日の試合、やっぱり来て欲しいんだ。」

「・・・栞奈との、用事が。」

fkr「それは、分かってるんだけど。日野さんと一緒でも構わないから。最後の試合だから、来て、欲しい。Aが来てくれたら、俺、頑張れると思うから。」

「・・・拳くんなら、私がいなくても頑張れるよ。活躍できる。」

fkr「・・・Aが、いいんだよ・・・他の誰でもない、Aに見て欲しいんだよ。応援しなくたっていい、見ててくれるだけでいい。」

「・・・考えとく。」

ー日曜日

fkr「・・・Aは？」

母「出かけたわよ。はいこれ、お弁当。Aが早く起きていつもより多めに作ってくれたんだから、頑張んなさい。」

・・・やっぱり、ダメだったか。

俺のバスケやってる姿、1度も見てくれなかった。