inferiority【QK】～追憶～ (ページ4)

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幼稚園僕が君のヒーローさページ4

今日も幼稚園で拳くんはブロックパズルを、Aちゃんは絵本を読んでいます。

時々振り返ってはひとしきり拳くんを褒めるAちゃん。

拳くんも大満足。

この2人は平和・・・だったのですが。

拳太「おい！A！また同じ本読んでんの！俺と遊べ！」

こういう男の子いますよね。ちょっとぽっちゃりした喧嘩の強そうな拳太くん。

きっと拳太くんはAちゃんが好きなんでしょう。ええ。

でもAちゃんはそんなこと知りません。また来た。苦手な拳太くんが。

拳くんのスモッグをぎゅっと握って下を向いています。

fkr「Aは絵本読みたいんだって。」

拳太「嫌だ！俺と遊ぶんだ！」

拳太くんはAちゃんの手を引っ張って連れて行こうとします。

「や・・・拳くん・・・」

Aちゃんの目からは今にも涙が零れ落ちそう。

先生「拳太くん、だめでしょ。Aちゃんは嫌なんだって。離してあげよう？」

先生が間に入って事なきを得ましたが、その日何度も拳太くんはAちゃんにちょっかいをかけ続け、お母さんが迎えに来た頃には拳くんのスモッグの裾はしわくちゃになっていました。

いつもニコニコ今日のことを喋ってくれるAちゃんが下を向いて何も喋らないのでお父さんもお母さんも心配そう。

何があったのか拳くんに聞きますが、拳くんはAちゃんが言わないことは口が裂けても言わないので知ることが出来ません。

その日の夜、布団でAちゃんは拳くんに話しかけました。

「ねえ拳くん。」

fkr「うん？なあに？」

「A、明日幼稚園行きたくないなあ。」

fkr「Aがいないなら僕も行かない」

「拳くんは優しくて大好きなのに、"た"が付くだけで大嫌いな拳太くんになるのも嫌・・・誰か拳太くんから"た"って文字取ってくれないかなあ。そしたら拳くんになるのに・・・」

なんともファンタジーなことを言いながら眠りについたAちゃん。

拳くんはAちゃんの頭を撫でながら眠りにつきました。