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母「下がらないわね・・・食べてもまた吐いちゃうし・・・何なら食べられそう？」
fkr「なんにも、いらない・・・どうせ吐いちゃう」
母「困ったわね。明日も点滴行くしかないかしら・・・」
ｺﾝｺﾝｯ
「ママ・・・入っていい？」
母「・・・マスクして入るのよ？」
「うん。・・・拳くん、りんご、すったのだけでも、食べない？」
fkr「・・・Aがすったの？」
「うん。」
fkr「・・・食べる。食べさせてくれる？」
Aが困ったようにお母さんを見る。
母「ﾊｱ、A、お願いできない？」
「う、うん・・・分かった。」
Aが起こしてくれて、食べさせてくれたりんごは、美味しくて、
「Aが作ったものなら、食べられるかも。」
そんなことを口にしてた。
困ったように微笑んで
「お大事にね。」
とAはお母さんと一緒に部屋を出て行った。
fkr「Aが、側にいてくれるなら、なんでも食べるし明日にでも学校に行くのに・・・」
その後見た夢は小さい頃の夢でAが拳くん大好きって抱きしめてくれる夢だった。
「拳くん、起きた？」
起きた時にAがいるなんて3年生ぶり。こんな幸せなことだったんだなあ。
「あのね、拳くん。私、上手じゃないんだけど、おじや作ってみたの。」
fkr「え・・・」
「今気持ち悪くないんなら、食べてくれない、かな？」
fkr「食べる・・・食べるよ。」
「持ってくるね。」
少ししてAが小さい土鍋と共に帰って来て、器に温かそうなおじやをよそってくれた。
お願いしなくても食べさせてくれるみたいでレンゲに取ってふーふーして口に持ってきてくれた。
fkr「ん・・・卵がふわふわで・・・美味しいね。」
「ほんと？食べられそう？」
fkr「うん、もうちょっとちょうだい？」
「うん！」
全部は食べられなかったけど今までと比べたら段違いにいっぱい食べられた。
fkr「ねえ、A、今日学校行かなくていいの？」
「学校は、遅れていくからいいの。拳くんが元気になってくれる方が大事。」
fkr「ほんと・・・？学校より僕が大事？」
「そりゃそうだよ。・・・大事な、双子だもん。」
fkr「A・・・」
恐る恐る抱きしめたけど拒否されず、Aは頭を撫でてくれた。
そこからどんどん体調は良くなって、元気になった。
学校に行くようになってAのよそよそしさは復活したけど、また頑張って話しかけようって、そう思えた。
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作者名：たらこ
| 作成日時：2021年3月26日 17時
