帯に短し襷に長し

友達０からの突然と出会い -izw ページ19

※izwさんのお話ですが今回はほとんど出てきません。

ー2019年


大学2年も後半に入っているというのに。
友達が、出来ない。
話をたまにする人はいるし、困ったようなことはないけど。

・・・寂しい。

講義の教室に入っても、誰にも挨拶されないし、休んじゃったら誰にも頼れないから風邪もひけない。
去年1回風邪になった時はマスクをして誰も近くにいない席に座って根性で受けた。

・・・せっかく勉強頑張って東大入ったのに。
地元にいるままの方がよっぽど友達もいて楽しかった。
両親も学校の先生も東大に合格した時はそりゃ喜んでくれて、上京って単語に胸を躍らせて。
あのワクワクは、なんだったのか。

今日もパソコンを開いて授業を受けた。
・・・お昼。1番寂しい時間が始まるなあ。


ini「あの」


食堂で1人で食べるのが寂しくてお弁当にしたけど、お弁当を教室で食べる方が寂しいことに気付いて食べること自体やめた。


ini「あの」


もうお昼時間いらないから、次の講義始まってくれないかなあ。


ini「え、無視？」


希望していた経済学部にも内定が決まってるし。
来年からもっと、忙しくなるのかなあ。


ini「ねえ！」


「ひゃっ！」


え、誰・・・
あ・・・1回ノート見せてって言われてまとめたレポート貸したことあるなあ。
たしか、えっと、


「ねこ・・・わん・・・いぬい、くん。」


ini「え、めっちゃ独特な覚え方してるじゃん。」


「えあっごめ、ごめんなさい」


ini「なんで猫？」


・・・言った方が失礼では。


ini「そんな怖がんないで。怒んないよ、教えて〜」


乾くんは金髪さらさらヘアーで私が座ってる机の前にしゃがみこみ、机に肘を乗せて頬杖をついてこっちを見ている。
・・・モデルさん、みたい。


「猫顔なのに・・・わんこの名前の乾くん」


ini「リズム感良い覚え方してるね？(笑)」


「すみません・・・」


髪も人柄もキラキラしている乾くんが私に一体何の用だろう？

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