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誰かの1番になりたかった。
誰でも良い。家族以外の誰かの1番にしてほしかった。


私の人生の最初、小学校低学年までは何の悩みもない幸せな毎日だった。

両親は2人とも1人っ子、そんな両親から生まれた1人娘の私はそりゃまあ可愛がられた。
マンションも同年代の子が住んでなくて大きくなったね、可愛いね、ってよく言って貰えた。


「Aちゃん可愛い服着て、Aちゃんのために作られた服みたいね」


「ありがとう!おばあちゃんも可愛いよ〜?」


「まあ、優しい子ねえ。」


毎日がキラキラしてて、世界の中心は自分だった。


小学校に入ってからも毎日学校に行くのが楽しかった。
同学年の子たちからは可愛いと言ってもらえて、運動も出来て。
勉強もそこそこ出来て、周りについていけないなんてことはなかった。
飽きっぽい性格なので色んなものに手を出すけどなんでもそこそこ出来る私は、みんなの人気者だった。

でもそんな日常が崩れるのはあっという間。

小学校4年生の時に背が高くて成長が早かった私は、同学年の誰よりも生理が訪れた。
今なら分かる、成長期ってやつ。
肌も荒れて顔にニキビがたくさんできた。
体重も突然増えてすらりとしていた脚も太くなった。

周りにたくさんいた友達は、離れていった。

そこで知った。
私の周りにいた友達は私の友達じゃなかった。
人気者の側にいたいただのクラスメイトだったって。

そっから何をやってもダメ。
そして気付いた。
なんでもそこそこ出来るけど、何をやっても1番にはなれないって。

私よりも美人な子はいっぱいいた。

私より足が速い子だっていっぱいいた。

私よりテストの点数が高い子だっていっぱいいた。


「・・・学校行きたくないな。」


小4の終わりは、学校に行く日は週3日もなくなってた。

小5が私の人生の最大の転換期だったかも。
私の1番の友達。親友。
芽衣っていう1番の友達。


芽衣「日野さん、出席番号並びだね。一緒のクラスになれて嬉しいな。背が高くて運動ができて素敵だなって思ってたの。よろしくね?」


「・・・好き。」


芽衣「ええ?」


天使だと思った。
見た目で判断しない。ほんとに友達になろうとしてくれている。
ふんわりと笑いかけてくれた芽衣の、1番の存在になりたい。

そう思った。

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神影(プロフ) - 大好きです。本当に最高。 (3月22日 23時) (レス) @page37 id: 690f341ea7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:たらこ | 作成日時:2021年5月13日 19時

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