二人の記念日ﾟ･*:.｡.Satoshi ☆ BD企画 .｡.:*･゜ (ページ5)

今日:2 hit、昨日:0 hit、合計:13,266 hit

＊ページ5

*

「もう、晴れ男になったんじゃなかったの…？」

溢れそうな涙をグッと堪えて言うと、智くんはふふっと笑う。

『んー、そうだと思ったんだけど。やっぱりAが近くにいると雨が降るみたい(笑)』

だから、すぐそばにいるってわかるんだよ。

なんて私を見つめる優しい瞳。

『ふふっ、何泣きそうになってんの？(笑)おれに会えて嬉し？』

ほんと泣き虫だなぁAちゃんは。

そう、涙を溜めた私を見てクスクス笑うあなた。

「…もう、今日は会えないと思った…」

『……』

「忘れたわけじゃないの。私にとっても大切な…っ」

大切な日だから。

『……ん、おいで。』

智くんは私の言葉の続きがまるでわかっているよう。

そっと手を広げ優しく微笑んだ。

『Aがいつも一生懸命頑張ってんの、俺はちゃんと知ってるから。』

涙がこぼれ落ちる前にその胸に引き寄せられると
青い傘の中で一つになる。

『俺も、忘れてねぇよ？』

今日は、Aと初めて出逢った日だもんね。

耳元でそっと囁くの。

『あの日も確か雨降ってたっけ(笑)』

俺らほんと雨ばっか(笑)

なんて36歳になったくせに子供みたいに無邪気に笑うんだから。

愛おしくてたまらなくて……

「………智くん、」

『…ん？』

あなたが顔を上げたその一瞬、

少し背伸びをして、触れるだけのキス。

びっくりするあなたなんてお構いなしに

ギュッと包み込むように抱きしめる。