148＊あと少しだけ ページ21
*
何が正しくて、何が正しくないのかなんて
もう何もわからなかった。
そう熱に浮かされ切っていたそのとき、ポケットに入れていたスマホが音を立てて薄暗い玄関に響いた。
どうしてだろう。
鳴り響く着信音になぜか思ってしまった。
��『今日は帰んないで。俺のそばにいて？』��
今日が終わってしまうともう、
あなたに会えなくなってしまうんじゃないかって。
鳴り止まない着信音に聞こえないフリをして
どうか、現実に戻らないように
あなたがくれる大人なキスじゃない、自分から押し付けるようなヘタクソなキスをして。
きっと応えてくれると思ってた。
でも、
『………A』
そんな私をそっと離すと、至近距離で切なく揺れる瞳と目が合う。
細く綺麗なその指で私の前髪を分けると小さなキスをおでこに落とした。
『………ごめんね』
言葉を失う私に柔らかく微笑みかけて
ギュッと抱きしめた。
『あと少しだけ、このままでいさせて……』
私の肩に顔を埋めて囁く消え入りそうな声。
「大野、くん……？」
『もう、何もしないから。』
背中に回しそうになった手が思わず止まる。
『近づいたりもしない』
『頭もポンポンしない。からかったり、ご飯食べに行ったりギュッもしない。……無理やりキスもしない。』
『ちゃんとお隣さんだって、思うようにするから。だから、今は………』
何かを決心した声に、
『このままでいさせて……』
心臓が嫌な音を立てた。
どうして……
離そうとするの……
「………そばにいてって言ったのは、」
…………大野くん、でしょ？
この腕が離れてしまうともう、遠くに行ってしまうような気がして
離したくない、離れたくない。
でも、そんな私の想いが届くわけもなく
『ごめんね。自分勝手な俺を許して？』
いとも簡単に離れていく腕にさっきまでのあたたかさなんて微塵も残っていなくて
『………バイバイ。』
いつの間にか着信音は鳴り止んでいて
あなたの甘い香りだけが
やけに切なく残った。
149＊どうしてもっと早く→←147＊0時を指すまでは─sideO.S
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 626人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みかん(プロフ) - ゆうもも☆さん» ゆうもも☆さんすみません！！今直しましたので見れるようになっていると思います。今日に移行して更新していきますので今しばらくお待ちいただけたら嬉しいです(>_<) (2016年11月24日 7時) (
レス) id: f23ec4a766 (このIDを非表示/違反報告)
ゆうもも☆(プロフ) - 更新通知が来て、読みたいんですけど、移行中が出ていて、続きが読めないんですが、どうしたらいいんでしょうか？！ (2016年11月23日 21時) (レス) id: 4bb7c760d6 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - あいさん» あいさんコメントありがとうございます！！恋愛要素少なくてごめんなさい(*_*)完全なる作者自身の自己満足作品なのでご了承願います(> <)機会がありましたらガッツリ恋愛もの書きたいと思います。 (2016年11月16日 16時) (レス) id: f23ec4a766 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - ともさん» ともさん！こんにちは〜お返事遅れてしまって(> <) 一筋縄でいかなくてごめんなさい(*_*)ちょっと切ない展開が続きますがどうか最後までよろしくお願いします！作者は智くんなので安心してください！笑 (2016年11月16日 10時) (レス) id: f23ec4a766 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - mさん» mさんコメントありがとうございます(o^^o)強引な智くん良いですよね(*´-`)作者自身書いてて楽しいです（笑）ニノちゃんもグイグイですからね〜（笑）近々移行しますのでよろしくお願いします！ (2016年11月16日 10時) (レス) id: f23ec4a766 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みかん | 作成日時：2016年9月29日 17時
