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そのまま私はキッチンへ、
壱馬はカウンター席に座った



「俺もたまには飲もっかな」



彼はお酒強いのかな、
なんて思いながら注文されたものを差し出す


彼の伸びてきた手は、私の指に触れた
彼はわざとなのか、わざとじゃないのか、私の手を覆うようにして自分の手を重ねる

恥ずかしくなってそっとそこから自分の手を引き抜くと、余裕そうな笑みを浮かべる



「男慣れ、してへんやろ(笑)」


「…わかんない」



笑ったまま、お酒を口に含む

ゴクリと動く喉仏から、目が離せなかった



「そんな見られたら恥ずかしいんやけど(笑)」


「あ、ご、ごめん…」


「あんた面白いな。初めて見た、そういう女」



発言からして、女の人の扱いには慣れてるのだろう
まあこんなに顔が整っているんだから、無理もない



「いつからここで働いてるん?」


「今年の夏から。」


「なんでここに来たのか、聞いてもええ?ていうか、隣座らん?」



彼が引いてくれた椅子にそっと座る




「都会に就職したんだけど、うまくいかなくて。仕事辞めて地元に帰ってきた…って感じです」



自分でも語尾が小さくなってるのがわかる。
こんな理由、情けないな




「情けないよね、ごめん、忘れて!」



立ち上がって仕事に戻ろうとした私を壱馬の手が引き止めた



「そんなことないんちゃう?嫌やったら辞めたらええよ。なんも無理することない」


「…え?」



そのまま彼は、掴んだ私の腕を自分の方へ引き寄せた


「…よう頑張ったな。」



彼のその一言で、今までずっと堪えてた涙がジワリと姿を現した



「外、出ようか」



そのまま彼に腕を引かれて外へ

お姉ちゃんのお店は海が見えるから、少し歩けば海に行ける。

砂浜は冷たかった



「俺の前では無理せんでもええ。」



そう言って優しく頭に手を乗せてくれた

海の波の音が聞こえる



彼はそれを切なく見つめていた

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ねこ(プロフ) - kahonさん» ありがとうございます!現実設定ではないですが、全員ダンス仲間です!説明足りてなくてごめんなさい、、、ゆっくり更新になると思いますが楽しんでいってください!! (2019年8月4日 9時) (レス) id: b274df5a0a (このIDを非表示/違反報告)
kahon - とても面白くて、一気に読んじゃいました(笑)。あと、疑問に思ったことがあるんですけど、この作品に出てくるLDHメンバーって、リアル設定なんですか?よければ、教えてほしいです!これからも楽しみにしてます。頑張って下さい^^ (2019年7月20日 20時) (レス) id: 0e3b0babab (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ねこ | 作成日時:2019年7月19日 6時

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