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なんのことかよくわかっていない私は、ほくちゃんに繋がれた手をじっと見つめた
「…さっきアイツと手繋いでたでしょ?」
そう言って窓の外を向いてしまったほくちゃん
「約束、破っちゃってごめんね。」
「…ほっぺにチューしてくれたらゆるす。」
「えっ!?」
確かに小さい時は何も気にせずしていたかもしれないけど流石に20を過ぎた大人になってからそれは恥ずかしい。
「北人!あんまグイグイいきすぎると嫌われるぞ〜?(笑)」
そうだ。この車には私たちの他にも乗っている。
ほくちゃんのペースに乗せられて完全にそのことを忘れていた。
「えっ、それはやだ!ごめんA!もうしつこくしない!」
「ほくちゃんのことは嫌いになんてならないから大丈夫だよ(笑)」
「いいな〜、おじさんもお前たちくらいの歳に戻りたいよ(笑)」
ガハハ、と大きく口を開けてアキラさんが笑った。
ちっちゃい時から何かあったら必ず助けてくれたほくちゃん。
気が弱くて男の子にスカート捲られて泣いてた時も助けてくれたな、なんて昔のことを思い出す。
あの時に比べると、繋がれた手はずっと大きくて、ゴツゴツしてる。
それでもほくちゃんの暖かさはなにも変わってない
「よーしついたぞー!宴再開!」
正直、さっきの肝試しでお腹いっぱいの私はアキラさんのテンションに全くついていけない。
「ねぇA、逃げようよ…」
「逃げたいところだけど私お店のお手伝いあるからなぁ…」
お姉ちゃんからきちんとバイト代を受け取っている以上、しっかり仕事はしなければいけない
「じゃあ、こんな男だらけのところにAのこと野放しにしておくわけにいかないし、俺も残るよ!」
と、右手を胸に当てて威勢良く言ったのは30分前の話。
「おい北人!飲んでるか!?」
「最高っすねアキラさん!!」
すっかり出来上がってしまったほくちゃん
お酒はあんまり強くないはずなのに、アキラさんに飲まされてグデングデンに酔っ払っている。
まったく、介護するのは私なんだから勘弁してほしいところだ。
「アイツ、大丈夫なん?」
ボーッとほくちゃんのことを眺めてるところにやってきた壱馬
「だから飲み過ぎないでっていっつも言ってるんだけどね…(笑)」
「だいぶ楽しそうやで(笑)」
前髪から覗く目がとても優しくて吸い込まれそうだ
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ねこ(プロフ) - kahonさん» ありがとうございます!現実設定ではないですが、全員ダンス仲間です!説明足りてなくてごめんなさい、、、ゆっくり更新になると思いますが楽しんでいってください!! (2019年8月4日 9時) (レス) id: b274df5a0a (このIDを非表示/違反報告)
kahon - とても面白くて、一気に読んじゃいました(笑)。あと、疑問に思ったことがあるんですけど、この作品に出てくるLDHメンバーって、リアル設定なんですか?よければ、教えてほしいです!これからも楽しみにしてます。頑張って下さい^^ (2019年7月20日 20時) (レス) id: 0e3b0babab (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねこ | 作成日時:2019年7月19日 6時