検索窓
今日:14 hit、昨日:35 hit、合計:16,118 hit

十泡。 ページ10

「――それは.........!」

「―――っ嘘よ!まさか本気にしないでよっ......!!」


組織を抜けるなんて嘘

だって彼は...ピンガは組織なんかにいるのがお似合いだもの

.........そして私も


「貴方がジンにしてやられたままの男だなんて思わないわ。ピンガは死んでしまったことにして、陥れましょう。協力するわ.........私は貴方の恋人だから」


恋人で、いたいから

愛おしい貴方が隣を許してくれる人間となりたいの

王子様を救った人魚になんてなりたくないから

泡になんて、なりたくないから

王子様の幸せ(居場所)を壊すなんて、したくないから


「ねぇピンガ」

「.........おい...」

「私...っ今でも貴方を愛してる.........貴方の言うこと、望むこと、全て叶えるわ」

「......っ........」

「私に、教えて?貴方の望む世界を」


私は貴方の恋人でいる限り、貴方の召使いよ

貴方が私を捨てるなら......それこそ泡になってもいい

風の精霊になって、世界中の人々を幸せにしてみせるわ

ねぇ教えて

貴方が愛する私は、何をする?


「――悪かった.........」

「......何に、謝っているの?何が、貴方を謝らせたの?何が、あなたを悲しませたの?何が.........貴方の涙を生んだの?」


愛する貴方

どうか教えて


「俺は......ずっとお前に嫌われたかった。お前は優しすぎて...組織には向いてない。人を殺せない。人を殺すお前になって欲しくなかった.........」

「......っうん.........うん...............っ」

「だけど、お前はずっと待っていてくれた.........っ!!」

「勿論待つわ.........貴方を嫌うことなんて、できっこないもの......」

「今からでも遅くないか...?一緒に組織を抜けてくれ...お前を苦しませたくない......から.........」


ピンガは涙でぐちゃぐちゃの顔を私の肩に押し付ける

初めて見た、ピンガの弱さだった


「っありがとう.........っ!!私......ピンガと一緒に生きたいの.........死に生きるなんてもう嫌.........っ!自分を偽るのも......」

「あぁ.........っどんなお前でも、愛してる...............」

「でも......あいつはいいの?貴方を騙した男を放っておくの?」

「あんな野郎を恨むより、お前を愛おしむがいいだろ?」

「.........っばか」



神様という存在がいるなら

これからどんな罰でも受けます

今まで犯してきた罪の分まで

でも今だけは......彼に抱く恋情だけは

どうか許してください

泡と消える。→←九泡。



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (46 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
113人がお気に入り
設定タグ:名探偵コナン , 黒鉄の魚影 , ピンガ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:夢二 | 作成日時:2023年5月27日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。