六泡。 ページ6
「――ねぇ...ベルモット......」
『なぁに?』
「さっきからそちら側の雑音が酷いのだけど。暇だからと電話をかけてくるのなら環境くらい整えてからにしてちょうだい」
『あら...それはごめんなさいね。今は地上に居ないものだから』
「......なに、プライベートジェットか何か?」
ベルモットはセレブ10人が固まって出来たような人だから
そんなことをしていても意外では無い
『今回は違うわ......今は潜水艦の中にいてね。とある女の子から情報を吐かせないといけないの』
「今回は.......ね。潜水艦?組織のかしら。女の子の身体に傷だけはつけないようにね?」
『勿論よ...レディにとって身体の傷がどんなものかなんて、考えたくてもわかるわ』
「そうよね、ベルモットだってレディなのだから」
『でもごめんなさい、それはウォッカに言ってもらわないと...。残念ながら私用でもう帰らないといけないの』
「ウォッカ......ジンの金魚の糞だったわね、あいつが聞き出すの?」
ウォッカはジンの腰巾着で、いつも金魚の糞のように2人で居るからうざったいったらありゃしない
そんな奴が組織にとって有益な情報を聞き出せるとは思わない
「女の子に乱暴しようものなら、殺してしまえばいいわ。私もそちらに行こうかしら」
『フッ......無駄よ。来れるはずがないわ。眠れる森のお姫様は大人しく王子様を待ってなさい』
「ちょっと......そんなのあんまりだわ。そんなこと言うと、糸車をしかけた魔女は組織ではなくって?それに王子様だなんて、そんな奴じゃないでしょう」
『......そうね。貴女を閉じ込めているのは組織ね。貴女の羽を捥ぎ取り、鳥籠の中で飼っているんだもの』
「...........。変な人ね、ベルモットは。もういいわ、おやすみなさい。また会いましょう」
『...そうね、会えるものなら』
電話はブツッと切られてしまった
ベルモットには何が視えている?
私が、もう二度とベルモットに会えなくなると言いたいの?
貴女はそんな所まで読めているの?
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作者名:夢二 | 作成日時:2023年5月27日 20時