137話 ページ49
差し出された手を取り、ベッドから立ち上がる。
瞬間、病室のような部屋が一変、訓練場のような景色に変わった。
仕組みが分からない程の精密な術。
やはり左眼で視なければ分からないか。
左眼を開こうとした時。
「そうそう。これをあげるよ」
手渡された物を見れば。
『眼帯…？』
「片目だけ閉じているというのもと思ってね。眼帯なら、周囲が察することもあるだろうしね」
確かに。
左眼の事を聞かれるのも慣れたとはいえ、面倒な事には変わりない。
いかにもらしい眼帯をしていれば、触れずにいてくれる人も居るか。
それにしても。
『術式…？』
「よく気付いたね。眼の能力を無効化する術式を編んであるんだ。眼を閉じる必要が無いようにね」
これも、結界術の応用か。
私専用の、余計な情報を視てしまわないための結界術。
凄い。
私が一から術式を編む術を、結界術の応用だけでしてみせるなんて。
眼帯を付けてみる。
眼を開いても余計な物を映さなくて済む。
それが、こんなにも楽になることだったとは。
『ありがとうございます。大切に使います』
「古くなったら、自分で作れば良いからね。君なら出来るだろう？」
『はい』
「よし、なら基礎から教えていこうか」
『よろしくお願いします』
そうして二週間かけて、私は様々な事を教わった。
反転術式、反転術式を利用した術式反転、領域展開、領域展開に対抗するための簡易領域、天与呪縛の存在。
加えて、現在の呪術界の仕組み。
御三家や等級制度、天元様の立ち位置。
勿論、私の術式や左眼の使い方もアドバイスを貰った。
「とにかく、君は術式や左眼を酷使しがちだ。くれぐれも、無理はしないようにね」
アドバイスというよりは注意かも知れないな。
それでも、学んだ事は多い。
三週間前と今では、圧倒的に強くなった気がする。
『天元様、お世話になりました』
今日で実家に帰らなければならない。
この空間が心地良かっただけに、戻りたくないとさえ思ってしまう。
「お疲れ様。大変な事もあると思うけれど、頑張るんだよ」
『はい。本当にありがとうございました』
「無理はしないようにね。何かあったらまた訪ねておいで」
『はい』
呪術の師であり、私の味方で居てくれた、本当の親よりも親のような方。
そんな存在に出会えたこの奇跡を、私は一生忘れないだろう。
「じゃあ、いってらっしゃい」
『では、行ってきます』
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reelay(プロフ) - らーゆさん» 最高だなんて言っていただいてありがとうございます！週一更新で亀の歩みですが、楽しんでいただければ幸いです！ (1月30日 4時) (
レス) id: ea44b75aca (このIDを非表示/違反報告)
らーゆ - 本当に、、、最高です。。。！！続き待ってます！この作品大好きです！！！ (1月30日 0時) (レス) @page44 id: 3acf2c335e (このIDを非表示/違反報告)
reelay(プロフ) - 圧倒的睡眠不足さん» コメントありがとうございます！確かに夢主さんのチートでゴリ押してるのは中々無いかもですね！？これから活躍してきてくれると良いなと思いながら書かせていただきます！ (1月6日 20時) (レス) id: ea44b75aca (このIDを非表示/違反報告)
圧倒的睡眠不足(プロフ) - 他にはない救済方法がなんとも刺さる…！更新楽しみにしてます！ (1月6日 17時) (レス) @page40 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
reelay(プロフ) - サクラさん» 拙作を見ていただき、またコメントありがとうございます！甘々イチャイチャ良いですよねぇ…。夢主には甘いけどその他にはさほど興味無い宿儺様が個人的には好きなのでそんな感じを出していきたいです！何卒よろしくお願いします〜 (^^) (12月2日 20時) (レス) id: ea44b75aca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：reelay | 作成日時：2023年4月9日 15時
