116話 ページ28
『じゃあ、なるべく改造人間を出させないように頼むよ。もし出したら、こっちに投げてくれたら処理するけど』
「ああ。…無理はするなよ」
『ん、了解。…さて』
思っていたよりも数が多いな。
まずは動きを止めて、そこから治していく方が良さそうだな。
魂に刻まれた記憶に、呑まれないよう気を付けるか。
動きを止めるのは容易だ。
何度も使ってきた手法でもある。
問題はここからだ。
少しでも手元が狂えば、元に戻せなくなる。
左眼を使うべきか。
幸い、羂索は宿儺の方を見ている。
余計な物を視る心配は無いだろう。
先ずは一人。
頭部に触れ、弄られた魂を知覚する。
ここか。
人間の、あるべき魂の形に戻していく。
『これでどうだ？』
「うっ……あれ…？俺…何して…」
上手くいったな。
ありがたい事に、改造人間だった頃の記憶は無いらしい。
なら、あとは領域外に転移させれば良いだけだ。
『それ程難しくもなかったな』
宿儺の方も、改造人間を出させないよう、上手くやってくれているようだ。
これなら、一度に終わらせることも可能だろう。
術式効果範囲を拡大し、全ての魂を戻していく。
「うぅ…」
「うーん…」
「ここ…どこ？」
よし、成功だ。
あとは全員領域外に飛ばす。
外にさえ出れば、どうにでもなるだろう。
『ふぅ…』
眼帯を戻しつつ、体調を確認する。
そこまで疲労感は無い。
一斉に魂を改変しても、記憶を視なかったのは幸運だった。
おかげで、戦闘を続けられそうだ。
さて、あちらはどうなっているだろうか。
「そんなものか！呪霊！」
「ちぃっ！」
うわぁ…めっちゃ楽しんでる。
花御と真人が瀕死か。
真人は兎も角、花御は宿儺にやられたわけでは無さそうだ。
漏瑚の戦闘に巻き込まれたか。
多対一の戦闘でも、完璧な立ち回りだな。
『宿儺。もう終わらせて良いよ』
見る限り、私が終わるまで
「終わったのか。身体は」
『大丈夫だよ。…ああ、助けがいるなら手伝おうか？』
態と揶揄ってみる。
このまま楽しんでいるのを見ても良いが、共闘するのもまた一興だ。
「はっ。必要無い。お前はそこで休んでいろ」
全く、優しい旦那様だ。
『じゃあ、お言葉に甘えて任せるよ』
「ああ」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 798人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
reelay(プロフ) - らーゆさん» 最高だなんて言っていただいてありがとうございます！週一更新で亀の歩みですが、楽しんでいただければ幸いです！ (1月30日 4時) (
レス) id: ea44b75aca (このIDを非表示/違反報告)
らーゆ - 本当に、、、最高です。。。！！続き待ってます！この作品大好きです！！！ (1月30日 0時) (レス) @page44 id: 3acf2c335e (このIDを非表示/違反報告)
reelay(プロフ) - 圧倒的睡眠不足さん» コメントありがとうございます！確かに夢主さんのチートでゴリ押してるのは中々無いかもですね！？これから活躍してきてくれると良いなと思いながら書かせていただきます！ (1月6日 20時) (レス) id: ea44b75aca (このIDを非表示/違反報告)
圧倒的睡眠不足(プロフ) - 他にはない救済方法がなんとも刺さる…！更新楽しみにしてます！ (1月6日 17時) (レス) @page40 id: 97d79e1a3f (このIDを非表示/違反報告)
reelay(プロフ) - サクラさん» 拙作を見ていただき、またコメントありがとうございます！甘々イチャイチャ良いですよねぇ…。夢主には甘いけどその他にはさほど興味無い宿儺様が個人的には好きなのでそんな感じを出していきたいです！何卒よろしくお願いします〜 (^^) (12月2日 20時) (レス) id: ea44b75aca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：reelay | 作成日時：2023年4月9日 15時
