愛されキャラの妹がうざかったので呪いの王と呪詛師旅行してみた

8話 ページ10

高専に着いたのは11時頃。
何せ新幹線から東京まではすぐだが、東京に着いてからが長い。
流石東京の辺境だな。


「本当にお疲れ様でした、神代さん。授業は午後から体術となっているそうですので、余裕がありそうでしたら参加してくださいね」


『分かりました。伊地知さんも引率お疲れ様でした』


三ヶ月間一緒に行動した伊地知さん。
任務中も電話対応に明け暮れていた所を見るに、上(主に五条)にかなりこき使われているのだろう。
今度胃薬あげよう。あげる機会があればの話だが。


『ふう。久々に帰ってきたな。といっても入学した日にしかいなかったが』


まずは寮に向かう。
初日しか使っていないからあまり生活感もないままだ。
入寮の準備でまとめたキャリーケースを開くこともなく任務に運んだため荷解きが大変だ。


午後の授業は体術と言っていたな。
荷解きした後、気分が向けば顔を出してみるか。




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ようやく荷解きが終わった。


『顔合わせの前に状況を把握しておくか』


眼帯を外し左目をゆっくりと開く。
手のひらに呪力を込め、込められた呪力から記憶を視る。
視る場所は教室だ。


入学日に私の呪力を教室に薄く張っておいた。
空気のようなものだから、五条にすら気取られることは無い。
私の体に流れている呪力も、教室に張っておいた呪力も私の呪力だ。
後は左目で私の呪力の記憶を視れば、いつでもどこでも覗きも盗聴も、し放題というわけだ。
ああ悪用する気は無いから心配しなくて良い。
まあ小学校も中学校もろくに行っていなかったから、これで情報収集はしていたが。
いかに私の悪評が立っているか、とかな。


勉強は問題なかったのかって？
学校に行かずに図書館に通い詰めていたからな。
高校ぐらいまでの勉強なら人並みの点数は取れるだろうよ。


そんなことよりそろそろ視ようか。
私の見立てでは全員魅了し終わっているはずだが。


『さて、私の味方はまだ残っているかな？』

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