愛されキャラの妹がうざかったので呪いの王と呪詛師旅行してみた

39話 ページ41

少し呪霊を戦わせたが、結局祓われてしまった。
人型でないと動かし難いな。


『因みに今の所持金は？』


「…教えるかそんなもん」


『宿儺』


「ああ」


宿儺が臨戦体制に入ろうとする。


「待て、やめろ！千円だ！」


以外とあるじゃないか。


『ならそれをください』


「いや千円じゃ何も出来んだろーが。何に使うんだ」


『？恋人とのデート費用にですが』


時間はたっぷりあるんだ。
色々な所に行きたいし、色々なものを見せてあげたい。
そのためにはお金が必要だ。


「それこそ足らんだろ。知らねえのか？」


『知ってますしちゃんと増やしますよ』


「は？お前まさか」


『初めてではないので先生が来て下さるのであれば多少は還元して差し上げますが』


「よし来た今から行くぞ」


『こんな大人にはなりたくないな…』


「聞こえてるぞ」


『では少し着替えてから行きましょうか』


「ああ。…着替える？」









『宿儺。窮屈じゃないか？』


「ああ、問題無い」


『よく似合ってるよ』


宿儺が着ているのは黒のスーツ。
普段の着物もよく似合っているが、スーツ姿の宿儺は新鮮だ。
溢れ出る危ない男感がまた良い。


「Aも、よく似合っている」


『ありがとう』


私が着ているのは黒いドレスで、あちこちに薔薇の刺繍がされている。


別室で着替えていた先生が戻って来た。


「おいどういうことだ？何でスーツ着る必要がある？」


『では聞きますが、手っ取り早く金を増やす方法といえば何がありますか？』


「は？そりゃギャンブルだろ？」


『そうです。今から私達はカジノに行きます』


「何だそれは」


『遊戯にお金をかけて、稼ぐ場所だよ。この前、カードゲームのやり方は教えたよね。あれで勝てばお金が貰えるんだ』


「成程な」


「そもそもそんなもん何処にあんだよ」


『地下ですよ。金が関わると負の感情が生まれやすいので、気付きやすかったですけどね』


それ以降は他の呪術師に気付かれないよう、呪術師にだけ発動する認識阻害の術を掛けている。


「いつからやってたんだ」


『三年程前からでしょうか。退屈凌ぎにはもってこいでしたよ。まあ稼いだ金が入った通帳は寮ですし、死んだ次の日には琴葉が奪っていって引き下ろされたようですが』


「神代家は人としての倫理観が飛んでんな」


『ありがとうございます』


「褒めてねえよ」


『さあ行きますか』


先生は無視して移動する。
さあ、楽しい金稼ぎの始まりだ。

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