35話 ページ37
図書館にやって来た。
少し京都から離れたこの図書館は、長期任務の際に来たことがある。
この図書館は市の体育館と隣り合っており、そこでは様々な大会が行われる。
その際、敗北時の悔いから生まれた負の感情が、呪いを生むらしい。
ただ、そこまで手のかかるものでは無かったため、予定よりも早く終わってしまった。
かなり時間に余裕があると伊地知さんが言うので、図書館で時間を潰していたのだ。
あの頃同様、そこまで利用者が多くない。
これなら大人しくしていれば宿儺が居ても問題無いだろう。
奥の方の席に座る。
『じゃあ、何冊か本を持ってくるから待っててくれ』
「ああ」
本棚を周り、目的の本を数冊抱える。
席に戻り、持って来た本を机上に広げる。
「意外と多いな」
『まあ、どの辺りまで理解しているか分からなかったからな。中には必要無い物もあるだろう』
「そうか」
『始めはこれだ』
手に取ったのは文字の歴史に関する本。
宿儺が生きていたのは千年前、つまり平安時代だ。
「文字か」
『そう。漢字は問題無いだろうが、仮名は厳しいかと思ってな』
平安時代、漢字を崩してひらがなとカタカナが生まれた。
しかし当時、男は漢字、女は仮名という風潮があった。
「仮名か。心配せずとも読めるぞ」
『！本当か。よく学べたな』
「まあな。役に立つ知識は、多少無理をしてでも得ておくべきだろう？」
恐らく、貴族の女性を脅して教わったのだろう。
だが、言い分は尤もだ。
知識も技術も傑出しているからこそ、最強なのだ。
『そうだな。なら一度軽く目を通して次にいこう。昔とは字体が違うからな』
「ああ」
案の定楷書もすぐに理解し、次に移る。
『これで日本語は終わりだ』
「なら次は何だ」
『次は英語、外国で一番使われている言語だ。今では国内でも色々な所で使われている』
「あの蚯蚓が這ったような字か」
『そう。話せる必要は無いが、多少の知識はあった方が良い。私が教えるから、分からなければ言ってくれ』
本当に多少理解出来れば良かったのだが。
覚えが良すぎてほぼ完璧に話せるようになってしまった。
頭の良さまで最強なのか。
発音も、私の知る中で三番目に良い。
二番目は私だ。
学校で習うよりも、観光客の会話に耳を傾けていた方が良かったようだ。
一番は誰かって？
一番は伊地知さんだよ。
英語で電話していたのを聞いたことがあるが、発音が良すぎて一瞬外国人が話しているのかと思ったよ。
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あ - 話進まなさすぎつまらない (3月18日 18時) (
レス) id: 464afcc8c4 (このIDを非表示/違反報告)
ななしさん - 初コメなのに質問で申し訳ないのですが、15話で、「相手の術式を成立させないことも出来ます」とありますが、妹ちゃんの術式が成立しないようにすれば、周りの人が魅了されるのを防げたり、魅了を解除出来るのではないのですか？ (2022年9月23日 19時) (レス) id: 5ca77bcde2 (このIDを非表示/違反報告)
reelay(プロフ) - ちづっきーさん» すー様は存在がもうイケメンですよね…設定は只々自分の好みをぶち込んだのですが、喜んでもらえて嬉しいです！応えられるよう、頑張りますね！ (2022年8月21日 22時) (レス) @page44 id: 2f7f62128e (このIDを非表示/違反報告)
ちづっきー(プロフ) - 宿儺様がイケメンです。この話めっちゃ面白くて好きです。他の小説にはない設定最高です！！更新頑張ってください。 (2022年8月21日 21時) (レス) @page44 id: 5ebe7ae459 (このIDを非表示/違反報告)
reelay(プロフ) - Mimiさん» ありがとうございます！なるべく更新し続けられるように頑張りますね！すー様本当イケメンですよね… (2022年8月21日 16時) (レス) id: afe51dd90d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：reelay | 作成日時：2022年8月16日 13時
