愛されキャラの妹がうざかったので呪いの王と呪詛師旅行してみた

4話 ページ6

「まずは2級術師同士でやろっか！反転術式が使える先生もいるから思いっきりやっても良いからね！」


軽くって言ったじゃねえか。
なんで命かけないといけないんだよ。
まあ不信がられない程度に戦って適度に負けてやるか。


『よろしくな伏黒君』


「伏黒で良い。本気で来いよ」


お、伏黒で良いのか。
ありがてえや。君付け面倒いし。


「よ〜い…始めえええええ！」


「玉犬！」


さっきの犬か。
ていうか今丸腰なんだが。
武器ねだっときゃ良かったな。


そんなことを考えていると犬が二匹、左右から攻めてくる。
ならまずは二匹に向けて火球を球転がしサイズで放つ。
勢いを殺せず玉犬は見事丸焼きだ。


『飛んで火にいる何とやらだな』


「よそ見するな！」


見ながらボソっと呟けば正面から殴りかかってきた伏黒。
とりあえず右手を左手で掴み左手から炎を発生させる。


「あっつ！」


そう言いながら数歩下がった伏黒。
そろそろこっちから仕掛けるか。
自分も数歩下がり距離をとる。
無数の火球を発生させ一斉に放つ。


「くそっ！」


さすが2級術師と言うべきか。
私の攻撃を見事に避けている。
しかも少しずつこちら側へ。


『だが、惜しいな』


「ぐっ」


そう言って膝をつく伏黒。
背中が焼け軽く爛れている。
私の火球が背中側から当たったのだ。


『こちら側に意識を向けすぎだな。戦闘中は常に全方位から攻撃が来ると思え』


「ああそうだな…ただもう少し手加減してくれ。くそ痛え」


『それは悪かった。なかなか止まりそうになかったのでな』


「いやー琴歌強いね！恵に勝つなんてねー。とりあえず恵は家入のとこ行っておいで」


「はい」


そう言って伏黒は校舎に戻って行った。


「あの先生。家入…先生？って？」


よく言った妹。それは私も聞きたかった。


「ああ家入は反転術式が使える術師だよ。大体保健室にいるから怪我したら行くと良いよ」


「反転術式！凄いですね！何かあったら尋ねるようにします！」


確かに珍しいな。
他者の治癒は難易度が高いらしいしな。


「よしじゃあ恵が戻って来てから姉妹で手合わせしよっか！」


「はい！」


嘘だろ。自称術式使えない奴と戦わせんのかよ。
どうせ自分がちょっと怪我しただけで同情誘って魅了する気だろ。
分かってんだよな〜。
どうもしないけどな！


ていうか手抜くつもりだったのに勝っちゃったじゃん。
伏黒が弱いせいだなそうしよう。

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