愛されキャラの妹がうざかったので呪いの王と呪詛師旅行してみた

17話 ページ19

『さあ虎杖君。特級と戦えるなんて滅多に無いんだ。好きに戦ってみると良いよ。危なくなったら手を貸すから』


「余裕そうだな神代。こちとら腕持ってかれてるっていうのに」


『ああ、そういえばそうだったな。少し痛むが我慢してくれ』


炎を出して傷口を焼き、止血する。
これで戦えるだろう。


「痛っつつ。サンキュー！これで戦える！」


『無理そうなら宿儺を出しても良いよ。私は問題無いから』


寧ろ出して欲しいくらいだ。


「いや！なるべく自分で戦う！」


『そうか』


だがあの状態ならすぐに死ぬだろう。
いつでも止められるように準備しておくか。
手元の空間を寮の私室と繋げ、伏黒先生から貰った刀を持つ。
この技は手ぶらで何処にでも行けるから便利だ。
物を透明にしたり上空に浮かせて物を運んでも良いが、呪力消費が多い。


「ぐぁっ！」


『おっと。そこまでだ』


壁に打ち付けられた虎杖に追撃しようとする特級の腕を切る。
そして怯んだ横顔に火球をぶつけて吹き飛ばす。
それにしてもこの呪具凄いな。
呪力を込めていないのに腕が羊羹みたいに切れたぞ。
とんでもない代物じゃないか。


「っ悪い神代！助かった！」


『別に良いよ。殺させないって言ったしね。というかそろそろ限界だろ？早く宿儺と代わりなよ』


「ダメだ！何でお前はそんなに宿儺を出させたいんだ！あいつは呪いだぞ！」


『分かってるよそれくらい。少し話がしたいだけさ、今後についてな』


そろそろ特級が復活するか。


『早く代わりな。私は大丈夫だからさ』


「クソッ、死ぬなよ！神代！」


本当に善人だな。
自分が死にそうになりながらも私を優先しようとするなんて。


さて。
眼帯を外し、左目を見開く。
折角の機会だ。出し惜しみは勿体無い。
呪いの王の力量を見せてもらおうか。

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