＊ ページ15
．
「Aちゃんどこ行くん？！」
追いついた彼女の肩を掴むと力一杯に振り切られて拒絶される
『もうやだ…やだやだやだ！』
悔しまみれの悲鳴はどれだけの経験が故なのか
『私も男に生まれたらよかったのッ？！』
「そんなことあらへんよ…」
『でも！…こんな事ばっか…ッ！』
「ん、そうやな…」
1番嫌な思いをしているのは紛れもなくAちゃんや
それやのに俺らはAちゃんを責めてしまった
「でもな、ほんまにみんな心配してんねん」
手をそっと包み込むと今度は大人しく掴まれたまま悔し涙を流した
叫びたい声を噛み締めながら漏れる涙声
「大事な子があんなこと目の前でされていいわけないやろ？」
『…っぅ、うん』
「でも、ごめんな。俺らもAちゃんの大変さわかってなかったわ…言えやんよな俺らに」
『ううん…ﾋｯ、っごめんな、さ』
「でもわかってや…俺らAちゃんのこと助けたいんよ。助けてって言って貰えやんくて辛いわ」
うんうんと俺の中で頷く
『ごめんなさい、私みんなに当たって…』
「大丈夫やで、ほな戻ろか？」
『ん…』
彼女の手を取ってもう一度楽屋への道を帰る
いろんな光を浴び続ける彼女は一見輝かしい
けれど強い光というのは影を濃くする
真っ黒の影の中に引きずり込もうとする輩は俺らが確認できないほど多くて
きっとこの問題は俺たちが国民的になるまで、Aちゃんがいい年になるまでつづく
もしかしたらそれ以上にずっと続くかもしれない
そんななか彼女は今まで一人で戦ってきた
「なかなか力になれんくてごめんな…」
そういうと、首を振りながら彼女はまた悔しそうに泣いた
．
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 873人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
黎音(プロフ) - 素のまんま深澤辰哉のやが違う (2020年6月23日 18時) (
レス) id: 4c2c4c6e06 (このIDを非表示/違反報告)
美紀 - 移行おめでとです最高ですコロナウイルスと熱中症に気をつけてくださいね (2020年6月18日 16時) (レス) id: 8204dae0fb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：菜兎
| 作成日時：2020年6月15日 12時
