面倒くさくてごめんね。((Ht))

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あっ、て顔をしたと同時に明るい表情に変わっていった松村くん





目が合ってそんな表情になる対象に自分がなってるって思うととても気恥しい







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『ごめん、待った？』





「全然大丈夫！待ってないよ」





『そ？なら良かった』







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黒のタートルネックの上に柄物のニットを重ね着して、前に見たときとは違う薄手のコートを羽織っている松村くんは見るからにお洒落さんで隣を歩くのが申し訳ない






松村くんはそんなことを気にする様子もなく携帯で時間を確認しながら"お腹空いてる？"って聞いてきた







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「んー、人並みに」





『じゃあさこの裏の通りによく行く居酒屋あるんだけどそこで良い？』







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お洒落な松村くんだから行くところもお洒落なのかと思っていたら案外そこは居心地が良さそうな居酒屋で張っていた気が緩んだ気がした






松村くん、ナイス！







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お店に入って空いてる席に案内されて
奥の方いいよって言ってくれて優しいなって






お互い着ていた上着をハンガーに掛けてラクな格好になって、やっとひと息ついたと思ったけど真向かいには松村くんがいるわけで全然慣れない







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『ここのだし巻き玉子が美味しいんだよね』







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本人は慣れた手つきでメニューを手に取りあーだこーだ言ってる






意識してるのは私だけ







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『なにか食べたいのある？…ってその前に飲み物が先か』





「んー…ビールで」





『あ、ビール飲むんだ？』







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長谷ちゃんと慎太郎と飲むときはいつも最初にビールだったからついポロッと言っちゃったけど、ここで可愛こぶるのも違うし、意識しすぎは良くない






反応も特に変わらないし、強いて言うならメニュー見ながらも一応驚いてみた的な表情になっただけ







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そこから色々決めて"注文しちゃうね"って松村くんが注文してくれて、また一段落







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おしぼりで手を拭きながら意味もなく店内を見渡すのってあるあるだよね？コミュ障だけだって？ん？







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『今日のこと慎太郎知ってんの？』





「あ、一応」





『そっか…俺のことなんか言ってた？』





「あー…良いやつって2、3回ぐらい言ってた」







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さっきの帰り道を思い出しながらそう言うと
"それしか言うことねーのかよあいつ！"って伏し目がちに笑った







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