不安定なロマンス。((Js))

５ ページ5

.







.







「え……と」






『…』






「昨日ジャージ忘れた私に松村くんがこれ貸してくれて…」







.







.







頭の中フル回転にしてジェシーくんに事情を説明するけど、もしかしてジェシーくん私にジャージ貸したこと知らなかったパターン？松村くん許可得てなかったパターン？






最悪なんだけど、しかも私のこと知らないじゃん絶対







.







私の説明にジェシーくんはなにかを思い出したようにみるみると反応が変わっていってようやく理解した様子







.







.







『ああ…俺のね…』






「勝手に借りたみたいになってごめんなさい…」






『いや、全然全然、いいんすけど』







.







.







動画で見るジェシーくんとは遥かに違くて






目も全然合わないし、ローテンション






しかも"最悪…"って顔してるし







.







.







『あれ、ジェシーそこでなにしてんのー？』







.







.







教室の奥…窓際の方からでっかい森本の声がして、ジェシーくんの奥にいる私と三村に気づくとめちゃくちゃ面白いものを見るような顔をしてニヤニヤしている







.







.







『あれーっ、ジェシーそこでなにしてんのーっ？』






『なんもしてねえよ！』







.







.







さっきより倍ぐらいの大きさでまた森本が言うとジェシーくんは焦ったように森本に反抗した






そんですぐこっち向いて"ごめんうるさくて"って謝るジェシーくん







.







.







「あ…とりあえず本当にジャージありがとうございました、あの、お菓子入ってるから皆で食べてください」






『え、お菓子？まじで？ありがとう』







.







.







背の高いジェシーくんは袋を覗き込みながら私にお礼をひとつ






そのまま私と三村は逃げ去るようにしてG組を後にしたんだけど







.







.







「なんか…凄い大人しい人だったね」






『もっとギャハハ！ありがと！みたいな感じだと思ってたー』






「いやモノマネのクオリティ」







.







.







動画の彼とは180度別人だったな







.







.

６→←４

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す