不安定なロマンス。((Js))

１２ ページ12

.







.






『ねえ、もう少し近くに行ってきていい？』







.







こっちでは横山先輩たち、あっちではジェシーくんたちのバスケが見れるなんて






って思ってたら、隣にいた三村がそう言った







.







「いいよー、私カバン見とくから行ってきな〜」






『ありがと！行ってくる！』







.







私はまだ座ってたいから三村には着いて行かなかったけどしっかり三村のカバンは守ります






もう三村の行動がアイドルに対するソレすぎてもし横山先輩がアイドルだったら貢ぎまくってそう、あの子サバサバしときながらこういうとこあるから







.







こっからの光景写真に収めたらきっと三村喜ぶだろうな






そう思って携帯のカメラを作動して三村と横山先輩がいい感じに同じ画角に入るように撮ろうとすれば、微かに隣から誰かが座る気配






私邪魔かもしんないって横見たら予想外すぎて目玉飛び出そうになった







.







.







『ここ座っていい？』






「あっ、はい」







.







びっくりしすぎてつい敬語






だってジェシーくんが隣に座るなんて1ミリも想像してなかったから






バスケするのかと思ってたし…







.







『久しぶりだよね』






「そうだね」






『だよね』







.







隣に座ると分かるジェシーくんの体格の良さ





隣を歩いたときも思ってたけど、めちゃくちゃ男の人でしんどい、足なっっっが







.







「バスケしないの？」






『え？あー、あいつらがやりたいだけだから、俺はいっかなって』






「そっか」






『…与田さんは？なにしてんの？』







.







.







少しの間と共に名字を呼ばれて普通に感動






なにかしらの形で名字は知る機会ってあると思うし、そこに関しては驚かないけどいざジェシーくんに口にされると嬉しいもんだね、知っててくれてたんだって







.







そんでジェシーくんに状況を説明すれば多分無意識だけど口をポカンと開けたまま話を聞いていて、先輩たちのコートを見ながら少し険しい顔して"なるほどね"って







.







.







『あ、俺もここにいていい？あいつら終わるまで』






「うん、どうぞどうぞ！」






『ん、ありがと』







.







.







そしてそれぞれ別のコートを見つつ無言の時間がまた流れて、でもジェシーくんが私を避けてるわけでもなさそうだからこの無言の時間も嫌じゃない







.

１３→←１１

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す