帰る日 ページ28
『ほんっっとに色々とお世話になりました！』
「全然よ？」
『この恩は絶対に返すからね！』
「あはは、気にせんでいいのに。Aちゃん、またいつでもおいでね」
『ありがとう〜！お邪魔しました！』
思った以上に居心地が良くて、結構長い間ありさかさんのお家に居候させてもらった。
「お見送りさせて」と、最後の最後まで優しいありさかさんに何度もお礼を伝えた。部屋の前でいいよって言ったのに、大量の荷物まで持ってアパートの外までついてきてくれた。
そんな彼とのお別れはやっぱり名残惜しいけれど別に会えなくなる訳じゃないし。いつでも会えるし、と勝手に寂しがる心を落ち着かせるように自身に何度も言い聞かせる。
ありさかさんと別れて信号待ちをしている間、ぼーっと空を眺める。
ちゃんとだるまはご飯食べてるかな。部屋、汚くしてないかな。
喧嘩をして家を出てきたわけじゃない。私が勝手に出てきただけだ。
だるまに会ったらなんて言おう。まずはただいま、からかな？
なんて、頭の中でだるまに会った時のシミュレーションを何度もする。
「…A？」
『え？』
信号が青になり歩き出そうとした時に急に名前を呼ばれる。
私は足を止めてゆっくりと振り向いた。
私の名前をこの声で呼ぶのはたった1人しかいない。
『ばに、』
「こっちに帰ってきてたんやね。おかえり」
『…うん』
「すんごい荷物やん。持つよ」
貸して、と彼の右手が私の方へ差し出される。
『ううん、大丈夫。ばにはどこに行くところ？』
「たまたまここら辺で用事あって、そんで今からありちゃんち寄ろうかな〜って思っとったところ」
『そうなんだ』
「もしかして、今までありちゃんのとこにおったん？」
だるまの家から出て以来、彼とこうやって会うのも久しぶりだった。
だからか、ばにの声がいつもより低くて重い気がした。
『…ばに、怒ってる？』
彼からの質問には答えず、ばにの顔色を伺うようにそう聞いた。
「Aは俺が、怒っとるように見えるん？」
久しぶりに見たその深い蒼の瞳は、私をしっかりと捉えて離さなかった。
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黒灰白有無％(プロフ) - 1から拝読させて頂きました！！色々な意味で本当にどきどきさせられますし、展開も面白くとても楽しみで時間があっという間でした.素敵な作品を有難う御座います気が向いた時更新して頂けたら幸いです！無理せず自身のペースで頑張って下さい是からも応援しております！ (11月9日 0時) (
レス) @page33 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 素敵すぎる作品です。完結を心より楽しみにしています…！ (7月18日 4時) (レス) id: 46bcba6e95 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎこ(プロフ) - 9日さん» 9日様〜！今年も宜しくお願いします💓9日様のそのお言葉のおかげで2023年も頑張れそうです🥹🫶いつも本当にありがとうございます！ (2023年1月30日 14時) (レス) id: 88751783dd (このIDを非表示/違反報告)
9日 - 更新久々だー！やっぱこむぎこさんの書く小説が1番好きです笑。これからも無理ない程度に更新していただけると幸いです💞 (2023年1月29日 0時) (レス) @page30 id: 5d21b82b77 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎこ(プロフ) - 9日さん» 9日様〜！！亀更新ですみません😭！いつもありがとうございます（ ; ; ）！！これからも頑張ります💓 (2022年12月4日 0時) (レス) id: 88751783dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎこ | 作成日時：2022年7月25日 17時
