ご飯を作ってもらう日 side:a ページ22
『ありさかさん、おはよう』
「…おはようございます、」
朝、目を覚ますとそこにAちゃんがいた。
働かない頭をフル回転させて昨日のことを思い出す。
『じゃあ私、会社行って来るね！』
「え、あー、うん。行ってらっしゃい」
バタバタとAちゃんは出て行った。
一瞬見えた彼女の目にはもう赤く腫れてはいなかった。
昨日特に触れなかったが、俺の家に来た時彼女の目は明らかに泣いた後の目をしていた。
まただるまと喧嘩でもしたのかと聞くと微妙な反応が返ってきた。
だが、帰りたくないとなれば原因はだるま以外考えられない。
喧嘩ではないとなると彼に何か言われたのかもしれない。
それを聞くことによってまた彼女が泣いてしまうのではないかと思い昨日は何も聞くことが出来なかった。
彼女のタイミングで話してくれれば俺はそれでいい。
------------------
≪今日なにか食べたいものある？仕事終わりに食材買って帰るよ！≫
AちゃんからLINEがきた。
なんだ、これ。まさかご飯を作ってくれるのか。
心臓を筆で触られているようなむず痒い感覚がする。
≪Aちゃんが食べたいもので≫
15分ほど悩んだけれど結局決まらず、なんとも微妙な返事をした。
すぐに≪おっけー！≫と彼女から返ってくる。
Aちゃんが俺の家に帰ってくるのが不思議だった。
…自然と頬が緩むのが分かった。
『ただいま〜』
「おかえり」
Aちゃんから買い物袋を受け取り冷蔵庫へと移す。
俺がそのままキッチンに立っているとAちゃんにぐいぐいと背中を押された。
「えぇ…？なに？」
『…見られてると作りづらいから、ありさかさんはあっちで待ってて』
「あはは、了解です。ありがとう」
本当に俺んちで彼女が飯を作ってくれるのか。
部屋で一人そんなことをぐるぐると考えていると段々といい匂いがこちらの部屋まで届く。
キッチンから彼女が料理を運んでくる。
『ハンバーグでーす！』
「わー！うまそー」
ぱちぱちと手を叩けば、嬉しそうに笑うAちゃん。
『はい、いただきます』
「…いただきます」
誰かとこうやってご飯を食べるのは久しぶりだった。
「うっま！」
『良かった〜』
いただきます、と共に手を合わせて美味しいと言ってご飯を食べる事はこんなに温かい気持ちになるものなのか。
昨日、咄嗟にAちゃんを誘った勇気ある俺に心の中で拍手を送った。
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黒灰白有無％(プロフ) - 1から拝読させて頂きました！！色々な意味で本当にどきどきさせられますし、展開も面白くとても楽しみで時間があっという間でした.素敵な作品を有難う御座います気が向いた時更新して頂けたら幸いです！無理せず自身のペースで頑張って下さい是からも応援しております！ (11月9日 0時) (
レス) @page33 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 素敵すぎる作品です。完結を心より楽しみにしています…！ (7月18日 4時) (レス) id: 46bcba6e95 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎこ(プロフ) - 9日さん» 9日様〜！今年も宜しくお願いします💓9日様のそのお言葉のおかげで2023年も頑張れそうです🥹🫶いつも本当にありがとうございます！ (2023年1月30日 14時) (レス) id: 88751783dd (このIDを非表示/違反報告)
9日 - 更新久々だー！やっぱこむぎこさんの書く小説が1番好きです笑。これからも無理ない程度に更新していただけると幸いです💞 (2023年1月29日 0時) (レス) @page30 id: 5d21b82b77 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎこ(プロフ) - 9日さん» 9日様〜！！亀更新ですみません😭！いつもありがとうございます（ ; ; ）！！これからも頑張ります💓 (2022年12月4日 0時) (レス) id: 88751783dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎこ | 作成日時：2022年7月25日 17時
