誘われる日 ページ21
また、私の良くない部分が出てきた。
マンションから出て涙を拭いもせず歩きながら頭の中で考える。
自分で出て行ったくせに、自分で勝手に傷ついているだけなのに、助けてほしいと願う最低な私がいた。
こんな時思い浮かぶのは、いつも私を助けてくれる彼だった。
だけど、今回ばかりは彼を頼ることは出来ない。
大好きな彼といたら、私の何気ない一言で彼を傷つけてしまいそうで怖かった。
それでも卑怯な私は、ばにらに会いたくて仕方がなかった。
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今日はネカフェにでも泊まろう、と近くにお店がないかスマホで探していると一本の電話。
『はい』
「あ、Aちゃん？こないだのお礼したいんやけど今から来れる？」
ありさかさんからだった。この間というのは引越しの手伝いをした時のことだろう。
『あはは、急だね』
ありさかさんらしくない誘い方に思わず笑ってしまう。
「いや、ほんとにね。実家から仕送りが来すぎてて、ご飯食べてないなら〜と思って」
『あ、そういえば食べてない』
「…ご飯食べてないの気付いてなかったん？じゃあおいでよ」
『うん、ちょっとね〜、やったー！じゃあ今から行きます！』
「は〜い。待ってます」
ありさかさんの普段と変わらない落ち着いた声を聞いて曇っていた心に晴れ間が見えた。
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『おいし〜〜！』
ありさかさんの家に着いた私は、早速ご飯をごちそうになっていた。
宮崎のご飯は本当にどれも美味しい。また旅行に行きたいなぁ。
「てか、Aちゃんすんごい荷物やね」
私の大きなボストンバックを見てありさかさんは言う。
「なに？家出？」
『うーん、そんな感じ』
私がそう言えばありさかさんは箸を止めて、心配そうにこちらを見る。
「…また喧嘩？」
『喧嘩、喧嘩…？うん…？』
喧嘩ではない。私が勝手に家を出てきただけだ。だけどなんで飛び出してきたのか、自分でも分からないので説明のしようがない。
「微妙な反応だなあ〜。どこ泊まるん？」
『ネカフェかな』私のこの返事にありさかさんはすぐに「ばか！だめです」と言ってきた。
だめって言われましても。
「じゃあ、暫く俺んちいないよ」
仲直りするまで、ね？ と優しく彼は言った。
引越し前日もこんな感じでだるまに誘われたのを思い出す。
『え、いいの？』
「何もできんけど、Aちゃんの気がすむまでおったらいいよ」
ありさかさんの優しさに今は甘えさせてもらう事にした。
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黒灰白有無％(プロフ) - 1から拝読させて頂きました！！色々な意味で本当にどきどきさせられますし、展開も面白くとても楽しみで時間があっという間でした.素敵な作品を有難う御座います気が向いた時更新して頂けたら幸いです！無理せず自身のペースで頑張って下さい是からも応援しております！ (11月9日 0時) (
レス) @page33 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 素敵すぎる作品です。完結を心より楽しみにしています…！ (7月18日 4時) (レス) id: 46bcba6e95 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎこ(プロフ) - 9日さん» 9日様〜！今年も宜しくお願いします💓9日様のそのお言葉のおかげで2023年も頑張れそうです🥹🫶いつも本当にありがとうございます！ (2023年1月30日 14時) (レス) id: 88751783dd (このIDを非表示/違反報告)
9日 - 更新久々だー！やっぱこむぎこさんの書く小説が1番好きです笑。これからも無理ない程度に更新していただけると幸いです💞 (2023年1月29日 0時) (レス) @page30 id: 5d21b82b77 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎこ(プロフ) - 9日さん» 9日様〜！！亀更新ですみません😭！いつもありがとうございます（ ; ; ）！！これからも頑張ります💓 (2022年12月4日 0時) (レス) id: 88751783dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎこ | 作成日時：2022年7月25日 17時
