来てもらう日 ページ11
「A！大丈夫？」
飲み潰れてしまったあの日のように、ばにらは走ってこちらに来てくれた。
『ばに、ごめん。突然』
ばにらは俯いたままの私の背中をぽん、ぽん、と優しく叩く。
背中にあたるばにの手は熱かった。ごめんね。こんな暑い中。こんな夜に突然呼び出しちゃって。
「都会の夏の夜っていいよね」
『ふふ、突然だね』
「俺、夏の夜好きだよ」
『？？』
何の話をし出したのかと思い顔を上げる。
「だから、俺の事は気にしないで。俺が来たくて来ただけだから」
その言葉で私の気持ちは軽くなる。
『ありがとう』
「ん、」
そこから私が話し出すまでただ隣にいてくれた。
『元カレに、会ったんだけど、』
「え、あの大学の頃の先輩？よくAを泣かせてたヤツだよね？遅刻魔で、自己中で、突然Aを呼び出したり…」
ばにには先輩と付き合っていた時に沢山相談したし、愚痴も聞いてもらっていた。
人において、好き嫌いをはっきりさせないばにらがはっきりと Aの彼氏嫌い、と言っていたのを思い出す。
『あはは、やな思い出しかないじゃん』
「A、唇切れてる…」
私が笑っていると、先程切れたであろう口の端っこをばにらがそっと触れる。
『あ…』
「何されたの」
彼の眉間にぐっ、と皺が寄る。
『実は、』
------------
さっき先輩に言われたこと、されたことをばにらに話した。
「ムカつく。ほんと嫌な奴」
ばにらは珍しく怒っているように見えた。でもね、ばにら、
『あ、待って。違うの、』
「違うって何が？」
『言われた事が図星だから泣いてたの。今だって私の我儘でばにを呼び付けちゃったし』
「いや、それは別にいいって」
『私、ばになら来てくれると思ったの。ばにの優しさに甘えたの、』
言い終わると同時に、ばにに腕を引かれた。
ぎゅっと強く抱き締められる。
ばにの腕の中はあつくて、どくどくと心臓の音が聞こえた。
「期待させるような事言わないで」
頭の上からばにの心地の良い低音が降ってくる。
『ごめんね、ばにら』
「……なんでそこで謝るん」
謝ることしか出来ない私を、どうか許さないで。
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黒灰白有無％(プロフ) - 1から拝読させて頂きました！！色々な意味で本当にどきどきさせられますし、展開も面白くとても楽しみで時間があっという間でした.素敵な作品を有難う御座います気が向いた時更新して頂けたら幸いです！無理せず自身のペースで頑張って下さい是からも応援しております！ (11月9日 0時) (
レス) @page33 id: 1ab55170b6 (このIDを非表示/違反報告)
もも - 素敵すぎる作品です。完結を心より楽しみにしています…！ (7月18日 4時) (レス) id: 46bcba6e95 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎこ(プロフ) - 9日さん» 9日様〜！今年も宜しくお願いします💓9日様のそのお言葉のおかげで2023年も頑張れそうです🥹🫶いつも本当にありがとうございます！ (2023年1月30日 14時) (レス) id: 88751783dd (このIDを非表示/違反報告)
9日 - 更新久々だー！やっぱこむぎこさんの書く小説が1番好きです笑。これからも無理ない程度に更新していただけると幸いです💞 (2023年1月29日 0時) (レス) @page30 id: 5d21b82b77 (このIDを非表示/違反報告)
こむぎこ(プロフ) - 9日さん» 9日様〜！！亀更新ですみません😭！いつもありがとうございます（ ; ; ）！！これからも頑張ります💓 (2022年12月4日 0時) (レス) id: 88751783dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こむぎこ | 作成日時：2022年7月25日 17時
