眠った日 ページ48
朝、目を覚ますと綺麗な顔が目の前に飛び込んできた。
動こうにも隣で寝ている人物にガッチリとホールドされていて、身動きが取れなかった。
隣ですうすうと眠る彼が、もう時期チャンネル登録者数100万人を突破する配信者だなんて、この寝顔を見る限りでは全く分からない。
だるまは本当にすごい。「プロゲーミングチームに所属する」と聞いた時はめちゃくちゃびっくりしたし、上京すると告げられた時は彼がこのままどんどんと遠い人になっていくのではないかと少しの不安があった。
あの頃よりも色んな意味ですごい人になっただるまは、今現在私の隣にいる。
遠いようで近いこのちぐはぐさに、たまに混乱してしまう。
「なあに難しい顔しとんねん」
だるまが目を覚ましたようだった。
『おはよう』
「おはよ」
ようやくだるまの腕から解放された私は んーっと伸びをして起き上がる。
腰は大丈夫か、と尋ねれば ソファよりはマシ と彼も伸びをしながら返事をくれた。
「お前めちゃくちゃ寝るの早いからびっくりしたわ」
『え、ほんと？』
確かにいつもよりよく眠れたような…(寝付きはいい方だから正直わかんないけどね)
『だるま効果かなあ？』
「そうちゃう？流石俺やな〜」
『じゃあエアコンが交換されても、たまに一緒に寝てくれる…？』
…冗談の延長線上でお願いをしてみた。
「それは無理でーす」
『あらら、残念』
……流石に欲張りすぎたようだった。
昨日のだるまは近すぎるくらい近かったのに、今日は少しだけ遠く感じた。
ベッドから立ち上がって冷蔵庫の方へ向かうだるまの後を追いかけた。
「ドラクエやん」
だるまはけらけらと笑いながら二人分のコップに水を注いでくれた。
ありがとう、と言ってコップを受け取る。
「なぁにちょっとむくれてんねん」
『え、むくれてないけど？！』
思ったよりもだるまに突き放すように断られたことが自分の中でモヤついていたみたいで、顔に出てしまっていた。
「まぁ、俺もオトコノコ、なんでね」
だるまのその言葉に、なんて返すのが正解か分からず、
知ってるよ、とだけしか返事が出来なかった。
「Aはなんも分かってへんよ」
彼が洗面台へと向かうのと同時に、ベッドの方から私のスマホの着信音が聞こえた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1150人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「CR」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
pa1219(プロフ) - 瑠衣さん» 瑠衣様とっても嬉しいコメントありがとうございます！やる気がでました🔥また月曜日からモリモリ更新致しますので宜しくお願いします！ (2022年7月17日 20時) (
レス) id: 88751783dd (このIDを非表示/違反報告)
瑠衣(プロフ) - 更新まだかまだかといつも楽しみにしてます！これからも頑張ってください！ (2022年7月15日 22時) (レス) id: de22c87227 (このIDを非表示/違反報告)
pa1219(プロフ) - シオさん» 更新がない日でも見に来てくれているのはシオ様だったんですね！とっても嬉しいです。その言葉のおかげで頑張れます！ありがとうございます。 (2022年7月4日 20時) (レス) id: 88751783dd (このIDを非表示/違反報告)
シオ - このお話の続きが気になって毎日見に来ちゃいます。更新頑張ってください。楽しみにしてます。 (2022年7月4日 19時) (レス) @page40 id: abd50904df (このIDを非表示/違反報告)
pa1219(プロフ) - 9日さん» 配信シーンとか全然書けてないのでそう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！モリモリ更新します💪 (2022年7月4日 7時) (レス) id: 88751783dd (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：こむぎこ | 作成日時：2022年5月30日 23時
