幼馴染 ページ5
最近先輩と多く接するようになったが、年上年下とか先輩後輩とか、そういうのを認識し始めたのっていつくらいだっけ?とふと考えた。
小学校に入る前は敬語なんてほとんど使わなかったし、一歳や二歳の差なんてあってないようなものだったよなぁ。
そんなことを考えながらリュックを背負って、家のドアを開ける
と同時に、私の視界は何者かに遮られた。
あれ、この感じは
『メテュ…?』
メテュ「A、会いたかったよ!」
そう言って彼は再び私を強く抱きしめる。
『ちょっとまっ、、離して離して、!』
普通に人から見えるところは恥ずかしいから!
メテュ「なんでよ〜、昔はよくAからしてくれたのに?」
昔と今じゃ訳が違うに決まっているだろう。
もうお互い高校生なんだよ?
メテュとは幼馴染で小さい頃からよく一緒にいた。
歳は私の一個上だが、私たちの間に年齢差という感覚は無いし、寧ろ私の方が上なんじゃないかと思うことすらある。
『なんでわざわざ私の家まで?』
メテュ「だって何度もAのクラス行ったのに、毎回会えないから」
我慢できなくて来ちゃったよ〜とへらへら笑って言う。
その笑顔に懐かしさを感じた。
『ほんと昔から変わらないね、』
メテュ「え〜、男らしくなったでしょ?」
背だってこんなに伸びたし、と頭に手を乗せて身長差を測る。
『小さい頃はよく背比べしたよね』
メテュ「Aも背伸びたから、今もそこまでの差じゃないけどね、」
『たしかにㅋㅋㅋ』
メテュは身長こそ高い方では無いが、さっき少し触れただけでしっかり鍛えてるのが分かるほどに男らしくなっていた。
メテュ「でもA、手は小さいよね?ほら、」
そう言って手のひらをこちらに差し出す。
この年齢になって異性の手に触れることに少し躊躇したが、そっと、合わせた。
あれ、なんか、いつものメテュと雰囲気が違う…?
大きさを比べた手は、いつの間にか握られていて
真剣な表情のメテュと目が合う。
これ以上の沈黙は、耐えられなかった。
『メテュ…?どうかした?』
途端に、はっと我に返った様な表情に変わる。
メテュ「へへ、んーんなんでもないよ」
なんだ、気のせいか。
488人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:メチルオレンジ | 作成日時:2023年5月13日 12時