第24話『逃避行動』 ページ25
イベント明けの学校って、独特の空気があるよなぁ。
なんて言うんだろう、喪失感?そんな大袈裟なものじゃないけどあぁ、終わっちゃったんだ、って感じ。
修学旅行は結局、班員や先生にたくさん迷惑をかけてしまった。
幸いあれから次の日には調子も戻り、人並みの修学旅行を過ごせた。
先生にはこっぴどく叱られたけど…
今まで大人しく生活してたので先生に怒られるなんて初めてで、今となってはちょっぴりいい思い出かもななんて思える。
ただ、一つだけ問題があるとしたら…
「…Aさん?」
『あ、えっ!?』
隣の縁下くんの顔がうまく見られないこと
だってあの時は頭ガンガンしてよく分からなかったけど、今考えるとあんなの恥ずかしくてしょうがない…
「もしかして調子悪い?なんかいつもと違う」
いや体調はいつも通りというか、むしろちょっと良いくらいだ
こんなに調子狂わされてるのは
『縁下くんのせいだよ…』
言っちゃった、どうしよう、
「え、どういう…?」
『ごめん!私これから委員会の集まりだから行ってくるね!』
逃げてしまった…
廊下に出て突き当たりの階段を降りて、なんとなく人のいないところへ
「はぁ〜〜〜〜〜…」
もうため息しかでない
上手くできない自分が嫌になる。
一方的に気まずくなって逃げちゃうなんて。自分がされたら傷つくよこれ。
昼休みの体育館横にひとりしゃがみ込む。
人気のないそこに、ひとつの軽快な足音。
「あれ、先輩?」
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作者名:メチルオレンジ | 作成日時:2020年5月26日 12時