＜×××＞ ページ5
｢それから、あの人はよく俺の訓練に付き合うようになりました。俺はコネシマさんに負けるのがどうしても悔しくて、憎たらしくて。あの人勝ち誇ったような顔で、
『まだまだ甘いのぉ！俺に勝つなんて100年早いわ。』
なんてほざきよるんです。それがまたうざったらしくて。俺はその日を機に勉強から訓練から全てに夢中になりました。全てはコネシマさんと同じ立場になって、そうしてからコネシマさんに堂々と勝って、今度は俺が見下してやろうって思いのために。｣
言葉でそう言うショッピの様子は、何となく穏やかである。ゾムは彼の顔を覗き込んだ。
｢…何ですか？｣
｢いや、やけに静かに喋るなって…。｣
｢…まぁ、コネシマさんがうざいのは今も変わってないんですけどね。｣
ショッピは少しだけ、ほんの少しだけ口元に笑みを灯した。
｢考えてみれば、両親が死んで、それまで空気みたいに、若しくはそれよりも扱いづらそうにされてた俺が、変な奴に捕まって、変に鎌かけられて…それで、自分のやりたい事見つけて夢中になって、今こうやって自分の好きなように過ごせてるってなると、人生どうなるか分からんな…って。｣
｢何？シッマに感謝でもしてるん？｣
｢いいえ？｣
即答に、ゾムはまた笑い出す。
｢何言ってんすか。頑張ったのは全部俺ですから、コネシマさんに感謝するとこなんて1ミリもないですよ。｣
｢なwるwほwどw｣
｢そっから俺は、訓練所での成績を認められて、グルッペン総統直々に、幹部に任命されました。過去話って言ったら、こんな感じですよ。｣
ショッピはそう締めくくってゾムに振り返った。ゾムはふーん、と言ってから長椅子を立つ。
｢なんか…良かったな。｣
｢何がっすか？｣
｢何やかんや言うて、ショッピ君もここで生き方見つけられて。｣
ゾムの言葉を聞いて、ショッピがふっと笑う。
｢そっすね。馬鹿ばっかですけど、ここに居ったら飽きが来ませんし、充実してますしね。いい国に来られて、良かったんじゃないですか。｣
ショッピも席を立った。ゾムがショッピに向かい合う。
｢いやー、おもろい話が聞けたわ。時間取ってすまんな。ありがと。｣
｢いえ、楽しんだんなら何よりです。では。｣
｢ん、特訓頑張ってや。｣
ショッピの背中を見送りながら、ゾムはまた彷徨い出した。
(俺よりはマシな生活しとるかもしれん…まぁ比べられるもんではないか…けど、ショッピ君はショッピ君で、色々あってんな。)
彼のターゲット探しは続く。
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ぽいぽい(プロフ) - 雨の止まない街さん» 初めまして。一気読みお疲れ様でした！温かいコメントに元気出ました！ありがとうございます！ (2019年12月17日 12時) (
レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
雨の止まない街(プロフ) - 初めまして。数週間前に本編一気読みした者です。率直に言うと大好きです。更新は無理のないようにして下さい。陰ながら応援しています！ (2019年12月17日 11時) (レス) id: 73a1ddffb6 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 紫陽花さん» ありがとうございます！更新少しローペースですが、楽しんで貰えれば幸いです。 (2019年10月24日 19時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花 - めっちゃ好きです。もう言葉に表せないくらい。頑張ってください！ (2019年10月24日 17時) (レス) id: d538ff0020 (このIDを非表示/違反報告)
ぽいぽい(プロフ) - 納豆の化身さん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます！多分更新またサボります(あれ？？？)けど、これからも温かい目で見てやって下さると光栄です。 (2019年10月17日 23時) (レス) id: 05af6d92c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぽいぽい | 作成日時：2019年10月16日 8時
