掃除【オリジナル】 (ページ2)

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「はぁ、、、どうしたらきれいにできるようになるんだろう」
帰りながらぽつりぽつりと独り言を並べる。
歩道は所々タバコやらガムやらが落ちているだけで特に変わり映えもしない。
少し視界が寂しく思い、下を向いていた視線を上に上げた。
そこには友達、まぁ上っ面だけだが。そいつらが居た。
その3人が、僕とは正反対に軽い足取りで、ぺちゃくちゃ話しながら歩いていた。
石蹴りをしているらしい。小さな石ころが三つ、ぴょんぴょんと跳んでいる。
その石があっちこっち跳び回っているのをボーッと眺めていると
その中の一つがポーンと飛んで行き
跳ね返った。
飛んで行った先には車があったのだ。
「やっべぇ！あの車、佐野の家の車じゃねえか！」
さっさと逃げるぞ、ギャーなどと騒ぎながら僕を置いて走って行ってしまった。
、、、、まあいい。
どうやらぶつかってしまった車は、佐野さんの家の車だったようだ。
佐野さんは、この辺では割と有名な金持ちだ。
昔から、というほどでもないが、結構前からここに住んでいたはずだ。
母とママ友が話していたのを盗み聞きしたところ、バツイチで今は独り身らしい。
だがよく友人らしき男たち数人を家に入れている姿をよく見かける。
ひとりぼっちというわけでもなさそうだ。
家の車庫には２〜３台の黒塗りの車が駐めてあり、
どれも海外の高級車らしい。まぁ僕にはよく分からないが。
佐野さんはその車をとても大切にしており、
傷を一つでも付ければ、地の果てまで追いかけて来るらしい(クラスメイト談)。
とまぁそんなことをひとり考えているうちに、
家のアパートの前に着いてしまった。