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「身の回りを整理しなさい」
それが母の口癖だった。
僕は昔から整理整頓が苦手で
一年生になって初めて与えられた自分だけの勉強机と小さな棚は
もの─────────大半はゴミだが─────────で溢れかえっていた。
去年までは数ヶ月に一度、大掃除と称して
僕のもので溢れた机や棚を整理する行事があったが
何度掃除しても数日すれば元に戻ってしまう机や棚を見て
両親はいつしか諦めてしまっていた。
僕の汚し癖は学校のロッカーや机でも同じで
学期末に渡される成績表の先生のコメントの欄には
「整理整頓をしましょう」
と毎年書かれていた。
僕は勉強や運動、授業態度や人間関係、
更に容姿、性格は自他共に認める程申し分はない。
だが整理整頓だけはてんで駄目で
クラスメイトからは
「残念イケメン」
と呼ばれる次第だった。
僕も何度か自分で片付けようとしたことはあった。
だがまず生まれてこの方片付けたことがなく片付け方が分からず、
開始十秒程度で断念する結果となってしまった。

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作者名:ぬQい | 作成日時:2023年3月8日 20時

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