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「……んっ、」
夢を見ているようだった。
子供の頃に見る、
現実なのか夢なのかわからないふわふわしたあの感覚。
唇を離せば、先輩が飲んでいたジントニックが強く香った。
そのせいで酔いが移った気がする。
見上げてキスをしているせいで倒れてしまいそう。
見かねた先輩は大きな左手で背中を支え、
もう片方の手で私の頬を覆う。
お互いの体温はさっきよりもかなり上昇しているようだった。
玉「ん、、」
照明が照らす先輩の顔は仄かに赤い。
いつもより目が妖艶で、大きく鼓動が鳴った。
流し目で見るその色っぽい姿は
普段の先輩がまるで嘘みたい。
私とは反対に先輩は、
さっきのお酒が回っているのか
息も、
キスも、
少し荒く感じる。
玉「ごめん、朝霧さん。やばいかも、」
その場の勢いで、傘も差さずにホテルに入った私たちは
かなり服も髪も濡れている。
お互いのシャツがしっとりと肌に張り付いた。
髪を濡らして肩で息をする目の前の先輩に
やばいなんて言われたら
正直私もこの状況に興奮してしまう。
息を整えようと一度下を向いて大きく息を吸い込もうとすると
ベッドに行こう、と少し安定しない足取りで
私たちは大きなキングサイズのベッドに向かった。
交際もせずに、こうやって体を重ねるのは初めてだった。
恋愛経験が少ない私には
男の人とそういう関係になることなんて無縁で。
そもそもそんな出会いもなければ自信もない。
なんで、
一体なんで、玉森先輩は私なんかを抱き締めたんだろう。
"寂しいんです"
成り行きでここまで来たけど
今更になって疑問が膨らむ。
こういう状況に慣れている人なら
こんなこと、考えないんだろうな。
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裕太 - このみ (2021年8月9日 13時) (
レス) id: 25b3f023e7 (このIDを非表示/違反報告)
かな - こんにちは！私涼風さんの作品大好きで、載せてある作品も全部拝見したことがあります！衝撃でしたが納得です。笑ここまで飲み込まれる作品、素敵だなと思っていたので！これからも応援しています！ (2021年7月22日 16時) (レス) id: 0aabf425eb (このIDを非表示/違反報告)
り(プロフ) - もう更新はないのかなって思ってたから本当に嬉しいです…。しかもあんな玉森先輩の呼び捨てとか不意に出るタメ口が好きすぎます！！これからもゆっくりでいいので更新待ってます。 (2021年7月22日 15時) (レス) id: 16253f3e09 (このIDを非表示/違反報告)
000(プロフ) - さつきさん» そう言ってもらえて凄く嬉しいです。ありがとうございます！ (2021年5月23日 21時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
さつき - 面白いです！続きが気になる！！ (2021年5月20日 0時) (レス) id: 16253f3e09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：000 | 作成日時：2021年5月19日 19時
