寂しさを舐めとれば。

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玉森SIDE








デスクが目の前だから、
目に入ってしまうのもあるけど、



どうしても仕事しているとき
パソコン越しで見てしまったり
不意に目を移す場所に彼女がいるから見てしまったり。

仕事は出来るし、周りの気配りも人一倍なはずなのに
つまずいたり何かをよく落としたり
どこか危なっかしい。


それに、周りに頼まれる仕事も
すぐに引き受けてしまうから
彼女の隣には山積みの資料が置いてあった。









『え、作っていた資料を間違えた？』


『ｯｯ本当に申し訳ないです！！』




あの日は、新人の子がミスをした。


それを朝霧さんは自分のせいだと泥を被った。




あ『私のせいなんです。私の教え方が悪かったから。』

『何とかしてよまったく』




泣いている新人に、泣かない！大丈夫！って、
彼女は背中をさすっていた。

きっと、階段で彼女が怒られて泣いていた時も
誰かにそうやって言って欲しかったんだと思う。




北『大丈夫か？Aちゃん』


あ『っはい』


北『空いてる奴らに声かけっから。』


あ『そんなっほんとに…』


北『いやいや、無理すんなって』



じわりと涙を浮かべながら、
嬉しそうに微笑んで朝霧さんは頭を下げていた。

たったその言葉だけで救われたような顔をしていて、

俺は昔の自分と重ねてしまった。




『僕も手伝います』

北『おう！』









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