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宮島さんは、甘い香りがして、
二階堂君には、煙草の香り・・・か。
もう一度、他の立花君と千賀君にも話を聞いてみたけど
匂いの証言はなかった。
煙草の匂いを甘く感じて
宮島さんは甘かったと言ってるのではないかと予想はしたものの
煙草の種類を調べたがそのようなものはなかった。
「鑑定からは、まだ何も情報は出ていない。」
不気味に月の光が照らし出す廊下を歩く。
藤ヶ谷先輩と私の歩く足音が校内に響いた。
「何も情報がないだなんて。
前の事件と同じように、かなりやり込まれていますね。」
「わからないけど、
この日のための予行練習だったんじゃないかと思うんだ。」
「え、」
「ここまでの大人数を閉じ込めて、
あそこまで手の込んだ仕掛け。
しかもなぜか松ヶ丘だけが特定されて殺されるなんて
長い月日、練り込んだ作戦じゃなきゃこうはならないだろ。」
考えれば考えるほど、寒気がしてきた。
「インタビューで、松ヶ丘の両親が出てた。
もちろん顔は出していないが、
私たちの息子を返せとカメラの前で泣きじゃくっていたよ。
殺されたのは松ヶ丘なのに
家には沢山の記者と、カメラと、献花と。」
「先輩、行ったんですか」
「うん。
何度も何度も、見てきた。
被害者の・・・親族や、友達、沢山の方の悲しんでいる顔。
早く捕まえて、今すぐにでも犯人を…」
先輩の涙は、青く光っていた。
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000(プロフ) - mmさん» 更新がだいぶ遅くなっていて申し訳ないです。私もミステリーが大好きなので頑張りたいと思います。応援ありがとうございます! (2021年5月23日 21時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
mm - この前から読み始めたのですが、滅多にないミステリー小説で凄く楽しませてもらってます!先輩である藤ヶ谷くんも凄く優しくて、過去の起きたこととか色々伏線が張ってあって気になります!!これからも頑張ってください!応援してます!続きが楽しみです… (2021年1月12日 16時) (レス) id: 8d0da4ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:000 | 作成日時:2021年1月5日 22時