14 ページ14
・
『いいか、倉木。
藤ヶ谷は昔の記憶がないにしろ
大切な人材になるほどの高いスペックを持っている。
彼に、ついていきなさい。
信用していい人だ。』
昔、バディを組む前に係長にそう言われたことがある。
何度も先輩の大きな背中を見てきた。
"信用していい人"
『A。』
お互い、捜査していて何度も人を失ったり、
裏切られたり、
同じ思いを沢山してきた。
2年前のあの事件も、
河川敷に沢山の花束がある前で
私は何度も謝り、手を合わせた。
途中で雨が降り、呆然としていたら
先輩が傘を差しだして
帰ろうと言ってくれたことがある。
車の中で、
『警察官として、泣くなんてみっともない。
Aは一つの事件があるたびにそうやって泣くの?
もっと強くなれ。』
そう言われた後に、
『自分の弱さを見せるのはお互いの前だけにしよう。』
『だから今ここで沢山泣け。
ただし、俺の前だけにしろよ?
係長とかに色々言われると面倒だし
一人で泣くのは少し寂しいだろ。Aのことだから。』
いつの間にか、私たちの仲は
次第に深くなっていった。
・
44人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
000(プロフ) - mmさん» 更新がだいぶ遅くなっていて申し訳ないです。私もミステリーが大好きなので頑張りたいと思います。応援ありがとうございます! (2021年5月23日 21時) (レス) id: 93533482e6 (このIDを非表示/違反報告)
mm - この前から読み始めたのですが、滅多にないミステリー小説で凄く楽しませてもらってます!先輩である藤ヶ谷くんも凄く優しくて、過去の起きたこととか色々伏線が張ってあって気になります!!これからも頑張ってください!応援してます!続きが楽しみです… (2021年1月12日 16時) (レス) id: 8d0da4ffd1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:000 | 作成日時:2021年1月5日 22時