いちにち Kei.Inoo 完結

じゅうに ページ12

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急いで、部屋の中を探し回る。







いない、







いない………







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「A、A？何処かくれてんだよ、いい加減出てこいよ！」








変な冗談よしてくれよ、








お前は、俺の隣にいればいいの。







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「っ、いのちゃん！」





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一心不乱に全ての扉を開け、彼女の存在を探す俺の肩を引き








バチン、








嫌な音とともに、頬に感じる熱。








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「目を、…目を覚ませよ………」









目の前に広がる、赤、赤、朱………







あれが、A？







ぐちゃぐちゃな、あの塊が、Aな訳ないじゃん。








そうだよね、A。







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こたつの上に光る物。








それは、昨日君の薬指にはめた誓いの指輪。







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嘘だ、








嘘だ………





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「………俺が泣いたら…







あいつ、死んじゃった事認めた事になるじゃん………」





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こんなアホくさい夢、早く目覚めてしまいたい。









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あ。







そうだ、








慌てて自分の携帯のフォルダを開く。









2月、6日の写真………





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「……………はは、」








そこに映るのは、間抜けにピースした、俺の姿





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だけ。

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