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ym side
席替えがあるっていうのは、今日の朝聞いてたから驚かなかった。でも、朝からやるなんて聞いてない!
くじ引きの列に並ぶ俺の手はブルブル。今回は番号順ってことで俺は最後、伊野尾くんは大ちゃんに続き2番目。
あぁ〜神様!どうか、どうか、伊野尾くんの隣!隣じゃなくても、近く!近くじゃなくても、伊野尾くんより後ろ!
俺が心のなかで願掛けしているうちに、伊野尾くんはくじを引いて席に座った。くじを開いてじっと見つめてる。
どこに、なったのかな…?気になるけど、それを知ったところでくじでいい場所を当てられるわけじゃないし。なんてったって俺は最後だし。
自分の順番が回ってきて、最後に残ったひねられた紙切れを見つめた。どうか、どうかこれが俺に味方してくれますように!
「裕翔!体育祭練習始まるよ!サッカーだよ、サッカー!」
授業を終えてぐでっとしている裕翔を引っ張って起こそうとする。早く着替えて行かなきゃ間に合わない。
隣には着替える前からはちまきを巻いてやる気満々な知念。今にも走り出しそう。
「ゆーてぃー早く!もう僕待てないよ!」
体力バカすぎるだろ。と思いながら疲れた裕翔を連れて歩く。体操着は一足先に行った知念に任せた。
「やま、なんでそんなに元気なの…」
今日の時間割最悪だったのに。
疲れましたとも。最悪でしたとも。もう体育やったし!
でも、でも、伊野尾くんと隣の席だったんだもんっ。教室の授業ではもうほとんど天国。数学はほとんど教えてもらったけどね。
「いいなぁ、やまは良いことあって」
「だろ?裕翔も頑張ってたら良いことあるって!」
俺は裕翔を引っ張る手に力を入れた。伊野尾くんのバスケも観たいし!
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take a walk - 応援ありがとうございます!一筆月さんのお話読むのが好きなので、私も読んで頂けて嬉しいです! (2023年1月12日 14時) (レス) id: 02038ffd3b (このIDを非表示/違反報告)
一筆月(いっぴつつき)(プロフ) - こんにちは。以前、『盲目〜』シリーズでコメントいただいた一筆です。主様の小説を読みたいと思っていたら巡り会えました😊お体に気をつけて執筆活動頑張ってください。応援させていただきます。 (2023年1月12日 13時) (レス) id: b67b2d7285 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:take a walk | 作成日時:2023年1月11日 12時