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噂になる盗聴器少年 ページ39

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「あれ、Aさんじゃない?!」


どこかで聞いた覚えのある声がして、振り返れば鈴木財閥のお嬢様である鈴木園子さんがいた。なんかナチュラルに名前で呼ばれてるけど、まぁいいか。しかもその後ろに見知った顔がいるから、思わず真顔になってしまったのは仕方ない。


「こんにちは、お久しぶりですね。」
「もしかしてAさんも怪盗キッドを見に来たんですか?」
「えぇまぁ。」


適当に相槌をうっていれば「お姉さん!」と呼ぶ声。聞こえないふりしようかな。「あれ、この間の盗聴器の子供じゃん」「盗聴器?何があったの?」「そういえば俺もつけられたな…」「伏黒が盗聴器?!ちょっと五条先生!」あ、無理だわ。

コナンくんが現れた途端に騒ぎ出す皆。特に白髪。マジで犯罪者にして豚箱に打ち込んでやろうか。おっとお口が悪かった。とりまウザ。


「久しぶりだねコナンくん。私は君に会う気は殊更なかったよ。」
「そ、そっか〜。で、お姉さんはなんで此処に?」
「君と同じ目的じゃないかな。」
「A、説明する気なさそうだね〜。」
「うるさいですよ五条先輩。」


いう訳ないだろう。警察でもないのに、怪盗キッド捕獲なんやらの話まで長兄からきてるということを。呪術師としての仕事もあるのに、家の兄共は妹をパシリにすることになれているようだ。


「今日は蘭姉ちゃんはいないの?」
「蘭姉ちゃんは今向こうにいるよ。今日は安室さんも一緒に来てるんだ!」


いらない情報を出してくるな。余計に会いたくない奴が増えたんだが。


「お姉さんの後ろにいる人達って、お姉さんが教師をしてる学校の生徒の人?」
「そうだよ。あの白髪目隠しの五条先輩とは一回会ってるよね。」


後ろで一年ズとはしゃいでいる五条先輩を一瞥した。いや、はしゃいでいるというかコナンくんの話題で盛り上がっていると言ったほうが正確か。コナンくんもあんな精神年齢五歳児の話のネタになるとは…同情はしないけど。


「Aさんも宝石を見に行くんですか?なら一緒に行きましょうよ!叔父様が通れるようにしてるんです!」
「そうなんですね。それじゃあ御一緒させて頂きます。」


園子さんの誘いに頷く。貴方の叔父様が通せるようにしてなくても権限で普通に入れるんですよねぇ、とは言わなかった。私が呪術師の仕事できていることはあまり公言したくない。

後ろにいた五条先輩達に目配せして、私達は中へと足を踏み入れた。

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作者名:ななを | 作成日時:2022年6月7日 21時

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