多分それは死神 ページ37
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「やっほー朱川さん!迎えに来たよ。」
コナンくんと仲良く(?)お話していれば、制服姿の虎杖くんがやってきた。制服姿でこの時間ってことは任務終わりだろう。あれ、でもなんで虎杖くんが此処いるんだろ。
「迎えって?私頼んでなかったけど。」
「さっき夏油さんから連絡きて、俺と新田さんが近かったから迎えに来たんだ。」
「成程ね。」
外へ目をやると見慣れた黒い車が止まっていた。お迎えもきたし、そろそろ帰るとしようか。スマホを手に虎杖くんについていこうとすると、コナンくんに呼び止められる。
「待ってお姉さん!お姉さんはさっき、知りすぎると消されるって僕に言ったよね。」
「…うん、そうだね。」
「それってさ、朱川家の力ってことで間違いないのかな。」
「それは、そうとも言えるし、そうでもないとも言えるよ。君の存在を危険因子だと“私達”が判断したら、…どうなるんだろうねぇ」
これは最大級の脅しだ。呪術師という存在を明かさず、お前の命がないという暗示。コナンくんともう二度と関わらないという確信はない。だったらせめて、私達に近づくなということは言っておかないと。
「虎杖くん、行こうか。」
虎杖くんと並んで出口へ向かう。後ろでコナンくんが顔を顰めていたのは、当然の反応だろう。
新田ちゃんが待っている車へ向かう途中、虎杖くんが声をかけてきた。
「ねね、朱川さん。あの眼鏡のガキンチョ、後ろにすげーの“憑いて”なかった?」
「あー、うん。すごいよね。」
何度も遭遇しているとあまり気にならなくなってしまっていたが、コナンくんに憑いた“それ”。呪霊ではない、もっと別な“ナニカ”。真っ黒い気配をしているのは確実なんだが、呪霊でない以上私達が出張る必要はない。事件の時一緒にいた五条先輩も気付いていただろうが、自分達の範囲外とすぐに理解したのだろう。何も言ってこなかった。
そもそも、よくよく観察しないと視えない“ソレ”に気付いたのは、今の所私と、虎杖くんと、五条先輩、多分夏油先輩も。虎杖くんに関しては、中に宿儺がいるから気づけたはず。自分たちに害を与えないのなら、無視する方針だ。だって、面倒くさそうだから。
「マ、気にしないでいいよ。人一倍気配に敏感な人とか、中身にやばいの抱えてる人くらいじゃないと気付けないだろうし。」
「そっか。じゃ、知らないふりでいいんだよね。」
「そうしといて。報告とかしたくないから。」
「朱川さんも相変わらずだね…」
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作者名:ななを | 作成日時:2022年6月7日 21時